ファッション

ルミネ ×「WWDJAPAN」の次世代応援プロジェクト「MOVE ON」に寄せる期待を高橋眞ルミネ社長に聞く

 ルミネと「WWDJAPAN」は12月13日、ファッション&ビューティ業界の次世代を応援するプロジェクト「MOVE ON」の始動を発表。メーンイベントとして2022年3月2日、「ファッション&ビューティ業界をみんなで動かす」ことを願い、業界人から消費者まで門戸を幅広く開放するフォーラム「Next Generations Forum」を開催します。登壇者の選定に際しては、業界の内外から、ベテランから若手まで、業界人に知ってほしい人物から消費者にとって関心の高いKOLまでを選出し、新たな知見の提供などが業界の活性化に繋がることを願います。

「MOVE ON」の始動に際して、高橋眞ルミネ社長に想いを聞きました。

WWD:パートナーは米「WWD」から「WWDJAPAN」に変わったが、過去3年に引き続き、今後もファッション&ビューティと小売業界の活性化を願って新たな知見や刺激を提供する。その役割を担おうとするルミネの想いは?

高橋眞ルミネ社長(以下、高橋社長):ルミネとブランドの役割は異なるが、一番大事なお客様に最高の購買体験を提供するという目的は変わらない。二人三脚で高め合いながら、ショップと共存・共栄の道を歩みたい。ECの存在感が高まる中、リアル店舗の価値・リアル店舗の楽しさを提供したい。リアル店舗しかない時は、駅近で人が多く集まる場所には優位性があった。だがECが増えると、利便性だけのリアル店舗は戦えない。お客様はECにアクセスすれば、価格はもちろん、商品情報も知ることができる時代だ。リアル店舗におけるショップスタッフの皆さんの重要性は、今後ますます高まるだろう。育成には個々のブランドも励んでいる。しかし「自分たちをどうするか?」で手一杯なブランドも多く、その視界に周囲や他の世界までは入っていないかもしれない。このままでは特に若い世代においては、ファッションが選ばれなくなってしまうのでは?という危機感がある。業界という狭い世界で限られたパイを奪い合うのではなく、そもそも若い世代におけるファッションのシェアを増やすこと。その上でリアル店舗も選んでいただくこと。リアル店舗においては、ルミネを選んでいただくこと。こうしてショップと共存共栄したい。状況は厳しく環境が様変わりする中、今までの仕組みや発想だけでは乗り越えられない。次世代の才能の発掘が大事になるだろう。ここで発掘するネクストリーダーにリアルの場を提供するなどして業界が盛り上がったら嬉しい。即物的なリターンは少ないかもしれないが、ルミネがお客様のハッピーに繋がるインキュベーターの役割を担うことができたらと思っている。

WWD:ファッション&ビューティ業界におけるリアル店舗の購買体験は、高橋社長にとって魅力的に映る?

高橋社長:3月までは駅ナカに多いコンビニエンスストア「ニューデイズ」や「キオスク」などを運営するJR東日本リテールネットの社長だった。コンビニで大事なのは、お客さまが必要なものを素早く見つけられ、待たずに買えること。ある意味「店の中にいる時間は、短ければ短いほどハッピー」という、全然違う世界だ。一方のルミネでは、感度の高い商品が揃っていることも大事だが、スタッフとの会話も重要だ。特に最近は新型コロナウイルスの影響でリアル店舗でのコミュニケーションに制限があったから、生き生きとしたスタッフとの会話を楽しみながら感度の高い商品を購入するという「感動体験」が大事だ。緊急事態宣言が開けてから店舗を回ると、お客様はもちろん、接客するスタッフも笑顔だった。ルミネでは、それが大事なんだと改めて気づくことができた。

WWD:MOVE ONを通じて、どんなリーダーを発掘したい?

高橋社長:ファッション&ビューティ業界に限らず日本全体、過去の成功体験に引きずられることなく、既成概念にとらわれることなく、大胆な挑戦ができる逸材に出会いたい。大事なのは、気概や大きな志を持っていること。ここに筋が通っていてほしい。利益は大事だが、志がないと「自分は、何のためにやっているんだっけ』と、いつかつまづいてしまう。「着る人を幸せにしたい」でも良い。大きな志を抱いてほしい。その中で特に次世代をけん引する女性にも巡り会いたい。

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