ビューティ

資生堂が売却した「ローラ メルシエ」「ベアミネラル」が新会社設立

 米投資ファンドのアドベント・インターナショナル(ADVENT INTERNATIONAL)は「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」「ベアミネラル(BAREMINERALS)」「バクサム(BUXUM)」を擁する新会社、オルべオン(ORVEON)を設立した。3つのブランドは資生堂の子会社である資生堂アメリカズがアドベント・インターナショナルに売却したもので、取引は12月6日に完了した。オルべオンの最高経営責任者(CEO)にはプロクター・アンド・ギャンブル(PROCER & GAMBLE)やヘンケル(HENKEL)をはじめ30年以上の美容業界の経験を持つパスカル・ホウディ(Pascal Houdayer)氏が就任した。本社はニューヨークに、地域統括本部はロンドンと東京に設置する。

 ホウディCEOは「オルべオンでは透明性、誠実さ、そしてアクティビズムを通して新たなビューティの可能性をもたらすことを目指す。3つのパワーブランドをまとめ、従来のビューティ業界にとらわれないイノベーションを生み出し、フェイスケアのエキスパートになる」と意気込む。

 日本で展開する「ベアミネラル」は今後、オルベオン傘下になる。一方の「ローラ メルシエ」は、資生堂と販売代理店契約を結び、今後も日本のビジネスは資生堂が続ける。

 資生堂は2010年にクリーンビューティブランド「ベアミネラル」の親会社のベアエッセンシャル(BARE ESCENTUALS)と米国発のメイクアップブランド「バクサム」を、16年にメイクアップブランドの「ローラ メルシエ」を傘下に入れた。しかし新型コロナウイルスの影響でメイクアップ事業が苦戦し、スキンケアに注力する中長期計画「WIN 2023 and Beyond」を掲げ、3ブランドの売却計画を今年8月に発表。「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」のライセンスの一部解消も発表している。

 一方のアドベント・インターナショナルは1984年に設立されたプライベート・エクイティ投資会社で、42カ国で380社以上への投資実績があり、6月30日時点の運用資産額は810億ドル(約9兆1500億円)に上った。過去にはヨーロッパの大手美容リテーラーのダグラス(DOUGLAS)の過半数株式を取得し、20年1月にはプレステージヘアケアブランドの「オラプレックス(OLAPLEX)」を買収し、IPOをサポートした。

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