ふんわりボリューミーな“パフィアウター”が、冬のキーアイテムとして脚光を浴びています。進化した素材や縫製のおかげで、軽くてあたたかい上に“着やせ”まで叶えてくれるとあって、外出ウエアの筆頭候補に昇格です。
イタリアを代表するスノーリゾートで発表した「ミュウミュウ(MIU MIU)」の2021-22年秋冬パリ・コレクションは、パフィアウターの宝庫。コロナ禍から抜け出して、外に出たい気持ちをジョイフルに表現していました。両腕までしっかりボリュームを持たせた、コロンとした愛らしいシルエットに、ピンクがときめく気持ちを伝えています。今回は、本格的な冬を迎え、さまざまなシーンで着こなしたいパフィアウターの3パターンのアレンジ術をご紹介します。
過剰なボリュームで遊ぶ ワイドパンツで相乗効果を発揮
パフィなアウターの魅力は、ファニーな着映えに仕上がるところ。だからこそ、狙い目はややトゥーマッチなぐらいのボリュームです。着ぶくれは冬ルックの大敵ですが、あえてその上をいく“スノーマン(雪だるま)”を意識して。
「ザ・ノース・フェイス パープルレーベル(THE NORTH FACE PURPLE LABEL)」のアウターは、超もこもこの量感が朗らかなムードを呼び込みました。アウターのたっぷりのボリュームに合わせて、ワイドパンツもゆったりしたシルエットをチョイス。シャツは裾を長めにウエストアウト。ジェンダーレスな雰囲気でまとめています。
2枚目の写真「オトアー(OTOAA)」は、ウインターホワイトを全身で表現。ノーブルで清潔感のあるミルキールックでまとめることによって、リュクスなたたずまいに。極太のワイドパンツとも好パートナーです。大きな襟がフードにつながるデザインは、ユーモラスな表情も添えています。引き締め色の黒を靴だけに迎えて、コントラストを際立たせました。
スリムパンツでめりはり強調 ボリュームの落差をアピール
戦略的にパフィアウターを着るメリットは、見かけ上の“着やせ”マジックにあります。本来の体型をはるかに上回った見え具合になるので、細身のボトムスと合わせれば、腰から下の細さを印象づける効果を発揮。冬にありがたい、スレンダーな印象が叶うというわけです。
「ユニクロ(UNIQLO)」のコラボレーションライン「+J」は、最終シーズンとなった2021年秋冬コレクションで、ボリューミーなアウターを投入。スキニーデニムと合わせて、量感の“落差”を際立たせました。“たっぷり×ほっそり”のコンビネーションでめりはりもくっきり。防寒ルックにありがちなもっさり感を遠ざけることに成功しています。
シャープな印象を強めるには、レザーパンツという選択肢もあります。パフィアウターとの風合いの違いがコントラストを生んで、さらに細さを引き出せる仕掛け。中でもタイトパンツを選べば、申し分のない相棒になってくれます。2枚目の写真「エレ ストリオフ(ELE STOLYOF)」は、レザーパンツがつやめきを添えています。パフィアウターで首周りまでくるむことで、抜群の小顔効果が生まれました。
異素材ミックスで着ぶくれオフ 決め手はボトムスの質感
量感が目を引くだけに、パフィアウターは着こなしの主役として映ります。アウターの印象に引きずられて、着映えが単調にならないようにするには、表情の異なるボトムス選びが肝心。異素材やミニ丈を選べば、動きが加わります。
「フィル ザ ビル(FILL THE BILL)」は、パフィアウターにサテン系のスカートを合わせてフェミニンな要素を投入。アウターにも光沢があるので、全体的にシャイニーな見え加減に仕上がっています。色のコントラストもくっきり。ふわっと裾広がりのシルエットで、量感のめりはりを強めています。
丈がコンパクトなボトムスを選ぶと、パフィアウターのボリュームとのずれ具合を引き立てる効果が見込めます。つややかなレザーを生かしたボトムスなら、さらに質感の違いが鮮明に。カラートーンも上下でずらせば、めりはりのあるコーディネートの出来上がりです。
2枚目の写真「タトラス(TATRAS)」では、パフィアウターをまとった女性のボトムス選びがルックに動きを出しています。右端の女性は、レザーパンツでクールな風情に。ハイヒールで合わせると、グラマラスなムードが引き立ちます。一方、左端から2人目の女性はミニ丈を着て、アウターとの“長短アシンメトリー”を演出。どちらもパフィアウターの着こなしに活用したいスタイリングです。
アウトドアやカジュアルウエアの印象があったパフィアウターですが、今ではさまざまなコーディネートに取り入れられるおしゃれユーティリティーな存在に。冬のスタイリングを助けてくれる着ぶくれ防止効果も期待できるので、本格的な冬シーズンに生かしてみては。