パントン・カラー・インスティテュート(PANTONE COLOR INSTITUTE以下、パントン)は、2022年の「カラー・オブ・ザ・イヤー(Color of the Year)」として“ベリーペリ(Very Peri: Pantone17-3938)”を発表した。例年は既存の色から選定されるが、今年は2000年にスタートして以来、初めて新たな色が作られた。
パントンによれば、この新たな色はコロナ禍の影響によって従来とは異なる生き方や働き方への移行期にあることを表しており、デジタルと現実世界の融合や、クリエイティビティ、新しさ、そして未来に対する期待の高まりを表現しているという。
“ベリーペリ”は、淡いブルー系を基調に赤紫系統の色味を加え、ツルニチニチソウの花のような色に仕上げられている。パントンのリアトリス・アイズマン(Leatrice Eiseman)=エグゼクティブ・ディレクターは、青色が持つ親しみやすさや心地よさ、安心感をベースに、新鮮さや未来への期待感、デジタル化された世界の動きを表現するために赤紫を混ぜたと語る。紫色は(米共和党と民主党をそれぞれ象徴する)赤と青を混ぜた色だが、「政治的な意図は全くない」と同氏は付け加えた。
ファッションへの取り入れ方としては、「“ベリーペリ”はニュートラルな色から、よりビビットで明るい色まで、多くの色と合わせることができる。メタリックな素材を使ってゴージャスなドレスに仕上げたり、カジュアルウエアとしてフリースに使ったりすることもできる万能なカラー。使いづらそうな色に見えるかもしれないが、実は可能性を無限に秘めている」と述べた。
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が、メンズ・アーティスティック・デザイナーとして同ブランドを率いていたヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の急逝後に発表した2022年春夏メンズ・スピンオフ・コレクションでも、“ベリーペリ”を使ったルックが登場。米オーディション番組「ザ・ヴォイス(The Voice)」に出演した歌手のアリアナ・グランデ(Ariana Grande)は、同カラーで仕上げた「グッチ(GUCCI)」のビンテージドレスを着用した。映画「ハウス・オブ・グッチ(House Of Gucci)」で主演を務めるレディー・ガガ(Lady Gaga)も、同カラーを取り入れたルックを披露している。