ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、非接触型の接客が定着しつつある中で、いかにヒューマンタッチを伝えるかについての話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
画面越しに香りや感触をどう伝える? 「コスメデコルテ」オンライン専任美容部員の表現力
「オルビス」が初の移動型体験店舗 まずは千葉エリアから
ファッション、ビューティを問わず、この2年ほど、これまでになく販売のあり方が問われたことはないだろう。AI、チャットといった人を介さない接客、非接触型のコミュニケーションが一通り模索された段階を経て、ヒューマンタッチをいかに伝えるかが現段階で最大のテーマになっていると感じる。
オンラインで最上級のおもてなしを
コーセーがハイプレステージブランド「コスメデコルテ」で始めたオンラインカウンセリングサービス「コスメデコルテ パーソナルビューティ コンシェルジュ」には、コロナ禍以降に現れたさまざまなデジタル・リモートの仕組みが取り入れられている。オンラインで美容部員(BC)のスキルを遜色なく発揮できるプラットフォームを目指して作られた、現時点でかなりハイレベルなサービスといえる。
スキンケアからベースメイク、ポイントメイクのテクニック指導まで幅広いカウンセリングメニューが用意されている中、最上位にあたる「ファーストデコルテ」はある意味採算度外視のような内容。予約者に対し、ほぼフルセットのスキンケアサンプルを事前に送付し、BCがマンツーマンで使い方のアドバイスを行うという至れり尽くせりぶりだ。サンプルは中心価格7000円の“リフトディメンション”ラインのほか、1万円を超える“AQ”ラインが選べる。「コスメデコルテ」は、来年で発売30周年を迎えるロングセラー美容液を大きく進化させた“リポソーム アドバンスト リペアセラム”が、9月16日の発売以来2週間で10万本を超える大ヒットを記録。美容メディアのベストコスメを総なめにする評価も得て、新客獲得に大きく拍車をかけている。リポソームをきっかけにブランドを訪れる新客に「ファーストデコルテ」を通じて質の高いカウンセリングを体験してもらおうという意図が伝わってくる。
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