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ゼニアCEO、上場までの道のりとリブランディングを語る

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 エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP、以下ゼニア・グループ)は現在、特別買収目的会社(SPAC)であるインベストインダストリアル・アクイジション(INVESTINDUSTRIAL ACQUISITION CORP.、以下IIAC)との合併によるニューヨーク証券取引所への上場の準備を進めている。IPO(新規上場)は、12月15日に開かれる合併承認のためのIIACの臨時株主総会後を予定。年内に見込まれる取引開始を前に、すでに投資家から注目を集めている。

 合併後も創業家のゼニア一族は株式62%を保有し経営権を維持する一方、IIACが11%を保有し、残りの27%が市場で取引されることになる。これにより、同グループの企業価値は32億ドル(約3616億円)、時価総額は25億ドル(約2825億円)になる見込み。12月6日には、両社が「特定の大手機関投資家やその他の投資家からの需要に応え、追加で最大1億2500万ドル(約141億2500万円)の私募増資(PIPEs)に合意した」という声明も発表した。

 さらに、創業から111年を迎えた同グループは大規模なリブランディングにも着手。これまで分かれていた「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」「ジー ゼニア(Z ZEGNA)」「エルメネジルド ゼニア XXX(ERMENEGILDO ZEGNA XXX)」をシンプルな「ゼニア(ZEGNA)」に統一し、新たなロゴやシンボルマークを披露した。「ファミリー企業として、私たちは長期的な視点で物事を考えているが、大胆な行動をとる先駆者として見られ、その行動が報われることを願っている」と、次の111年に向けて大きな野望を抱くジルド・ゼニア(Gildo Zegna)最高経営責任者(CEO)に上場までの道のりと今後の展望を聞いた。
 
 ゼニアCEOは、上場の準備に追われたこの数カ月を振り返り、「前向きなエネルギーで不安をコントロールし、不測の事態を最低限に抑える様に取り組んだが、とても興味深い道のりだった。リクエストや書類作成の負荷はとてつもなく大きかったが、チームは素晴らしい仕事をしてくれた」とコメント。ジャンルカ・タリアブーエ(Gianluca Tagliabue)最高財務責任者兼最高執行責任者や、傘下ブランド「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のロドリゴ・バザン(Rodrigo Bazan)CEO、アントニオ・ガッティ(Antonio Gatti)=インベストインダストリアル(INVESTINDUSTRIAL)共同経営者、アレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)=ゼニア・グループ アーティスティック・ディレクターらの名前を挙げ、労った。

 IIACとの合併というゼニア・グループの新たな一章の鍵となったのは、個人的な関係だったという。今回の契約のきっかけは、(IIACを擁する)インベストインダストリアルの創業者であり、同社のインダストリアル・アドバイザリー・ボード(INDUSTRIAL ADVISORY BOARD)会長でもあるアンドレア・C・ボノミ(Andrea C. Bonomi)氏と旧知の仲であったことに由来するとし、「私たちはお互いの家族を以前から知っていて、ファミリー企業として多くのことを説明する必要はなかった」と明かす。そして、1月にアフタヌーンティーの席で提案されたという合併案については、「3カ月にわたって興味深い交渉が行われ、彼らは私にこのプロジェクトの有効性を確信させてくれた。極めて機密で、人生の中で最もデリケートな決断だったが、家族とブランドの将来のために正しい決断をしたと考えている」とコメント。ボノミ氏と彼のチームは「サステナビリティへのコミットメントやイタリアの素晴らしいブランドや企業の発展へのフォーカスなど、私たちと価値観を共有している」と語り、信頼できる長期的なパートナーシップの重要性を強調する。

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