ファッション

ネクイノ×渋谷未来デザインが個人の“我慢”を解決する「#しかたなくない」プロジェクト始動

 ピルのオンライン処方アプリ「スマルナ」を運営するネクイノは、一般社団法人渋谷未来デザインとの共同で、「#しかたなくない」と題した社会課題の解決プロジェクトを始動した。第1弾の施策として、多様性の発信を得意とするクリエイティブスタジオのリング(REING)が、生理や避妊など「しかたない」と個人が我慢しがちなテーマについて取り上げたマガジンを制作。12月14〜20日の期間中に渋谷109前や同取り組みに賛同する書店などで無料配布する。

 同プロジェクトではまず、性に関する悩みやジェンダー格差、働き方など人々が抱えるさまざまな生きづらさをSNS上でハッシュタグ「#しかたなくない」と共に投稿することを呼びかける。渋谷区の企業や大学と連携して集まった課題の解決策を講じ、個人が自分らしく生きられる社会を実現することを目指す。

 取り組みの第1弾は、ネクイノの事業領域である体や性に関することをテーマに、半年間を目処に活動する。マガジン創刊号では、生理やセックス、避妊に関する意識調査をはじめ、セクシャルウェルネスやウェルビーイングなどのトピックにまつわるインタビューを掲載している。そのほか、渋谷区の大学と連携した新たな性教育プログラムの実装などを予定する。今後は年齢や性別を問わずに幅広い人を対象に声を拾い、集まった課題に準じてソリューションを持つ企業が主体となりプロジェクトを企画していく。1月12日には、渋谷未来デザインの参画企業を対象にオリエンテーションを開催する予定だ(場所未定)。

 発起人である石井健一ネクイノ代表取締役は、「『スマルナ』のユーザーから、(『スマルナ』を使い始めて)我慢しなくて良くなった、私が若い頃に出合いたかったといった声をもらっていた。これらのコメントを深掘りすると、そもそも社会や文化が個人に我慢を強いていることに問題がある。ここを解決するために、さまざまな企業が持つソリューションを掛け合わせる必要性を感じていた。渋谷を拠点に持つ企業を集め、社会課題を解決する1つのスタートアップになるイメージだ。まずは渋谷から発信し、今後はさらにターゲットを広げ、脱炭素や労働環境など多様なトピックに広げていきたい」と話す。

 ネクイノは2016年6月に創業。「世界中の医療空間と体験をリデザイン(再定義)する」ことをミッションに掲げ、テクノロジーを活用した次世代の医療空間の実現を目指す。18年6月にリリースしたオンライン診療でピルの処方や医療相談を提供するアプリ「スマルナ」は、21年11月時点で累計65万ダウンロードを記録。そのほか、法人向けの健康支援サービスや自治体と連携して災害時の医療支援やオンラインでの無料医療相談、教育機関との連携などに取り組む。

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