シャネル(CHANEL)は2022年1月末付で、リーナ・ネアー(Leena Nair)=ユニリーバ(UNILEVER)チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー(CHRO)を新たなグローバル最高経営責任者(CEO)に任命した。これに伴い、現在同職を務めるアラン・ヴェルタイマー(Alain Wertheimer)共同オーナーはグローバル・エグゼクティブ・チェアに就任する。
ネアーCHROはユニリーバで30年以上のキャリアを持ち、16年に同社初の女性CHROに抜擢された。1992年に同社のインド法人に入社し、2006年にはインド法人の人事部を統括するマネジャーに就任。ユニリーバではダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をけん引し、シャネルでも同様の功績を残すことが期待される。アラン・ジョープ(Alan Jope)=ユニリーバCEOは彼女について「CHROとしてイクオリティー(平等性)やダイバーシティ(多様性)、インクルージョン(包括性)を推し進め、社内のリーダーを育ててきた。パーパスドリブンなわれわれのビジネスに大きく貢献した」と評価する。
調査会社のバーンスタイン(BERSTEIN)のルカ・ソルカ(Luca Solca)=シニア リサーチ アナリストは「シャネルは長年、日用消費財企業のトップを迎え入れてきた。ユニリーバやプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE 以下、P&G)は優秀なマネジメント人材が在籍し、ラグジュアリー企業に転身するケースが多い。P&G出身で現在LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のグループ・マネジング・ディレクターを務めるアントニオ・ベローニ(Antonio Belloni)や同じくP&G出身で現在エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)のファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)社長兼CEOらがその例だ」とコメント。
一方、ヴェルタイマーCEOは16年から、モーリーン・シケ(Maureen Chiquet)前グローバルCEOの後任としてシャネルのトップを率いてきた。なお、ユニリーバではネアーCHROの後任は発表されていない。