「WWDJAPAN」は11月24日、オンラインイベント「WWDJAPAN SUSTAINABILITY SUMMIT2021」を開いた。今年は「近未来のファッション」をテーマに国内外から9人が集まり議論を交わした。セッション1ではレザーの代替品として注目を集める、キノコの菌糸体由来のマッシュルームレザーの可能性について。レザーの代わりになり得るのか。マッシュルームレザーを開発・販売するインドネシアのスタートアップ企業マイコテック・ラボ(MYCL / MYCOTECH LAB)のロナルディアス・ハータンチョ(Ronaldiaz Hartantyo)共同創業者兼チーフイノベーションオフィサーとそのマッシュルームレザーを用いてコレクションを作成した井野将之「ダブレット(DOUBLET)」デザイナーが語った。
向千鶴WWDJAPAN編集統括兼サステナビリティ・ディレクター(以下、向):今最も注目を集める素材と言っても過言ではないマッシュルームレザー。エルメス(HERMES)、ケリング(KERING)、アディダス(ADIDAS)、ステラ・マッカートニー(STELLA McCARTNEY)といった有力企業がこぞって新興企業と開発を進めています。マッシュルームレザーだけでなく、サステナビリティを実現するさまざまな技術が今、実装段階に入っていますが、セッション1ではまさに実装している2人をお迎えしました。
早速、パリ・メンズコレクションの公式スケジュールの6月27日、東京で開催された「ダブレット」の22年春夏コレクションを井野さんに解説いただきたいと思います。
井野将之「ダブレット」デザイナー(以下、井野):三鷹にある、その名もオーガニック農園という場所で開催しました。パリに行ける状況ではなかったのでデジタルでパリファッションウイークに参加しました。
向:バナナの茎を再生した糸で編んだ服やマッシュルームレザーを用いたライダースジャケットなど印象的な素材が多かったです。テーマを教えてください。
井野:テーマは「My Way」。サステナビリティが世の中にどんどん広まる中で、ふと疑問を持ったことがきっかけでした。モノ作りをしている人が、モノがかっこいいというよりも、「これはサステナブルな素材を使っています」とまず口にすることが増えてきた。それってそもそもファッションとしてどうなんだろう?と思いました。また、サステナブルに作られているものは、優しい色だったりシンプルだったり、柔らかい印象がありましたが、それを思いっ切り壊して、環境に悪くないサステナブルな方法で作った素材で、とんがったファッションを提案したらそれは優しいの?優しくないの?――どう見えるのかなと思って作成しました。
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