「シャネル(CHANEL)」がSNSを中心に物議を醸していた同ブランドのアドベントカレンダーについて言及した。
ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=シャネル ファッション部門兼シャネル SASプレジデントによれば、アドベントカレンダーはブランドを代表するフレグランス“N°5”の誕生100周年を記念したもので、ネガティブな反応は予想していなかったという。
「物議は『シャネル』が意図したものではなかったため、残念に思う。『シャネル』は顧客の中にはこのような商品を喜んでくれる人もいるだろうと考えていた。だがもっとわれわれが気をつけないといけなかったのは明らかで、今後はより慎重になるだろうことは確かだ」と同氏は米「WWD」の電話インタビューでコメントした。
アドベントカレンダーは限定アイテムで、すでに全て売り切れたという。「シャネル」がアドベントカレンダーを公に販売するのは初めてかという質問に同氏は「そうではないと思うが、必ずしも販売用ではなかったかもしれない」と回答したが、同ブランドの広報は今回が「シャネル」がアドベントカレンダーを販売するのは初めてだったことを認めた。
ココ・シャネル(Coco Chanel)のラッキーナンバーである5からスタートする計27個のボックスが入ったアドベントカレンダーは825ドル(約9万3000円)で販売され、ボックスの中には実物サイズのコスメのほか、香水やコスメのミニサイズ版やサンプル、ステッカーなどミニサイズのギフトアイテムが入っていた。
TikTokで190万回(12月15日時点)以上再生されたインフルエンサー、エリザ・ハーモン(Elisa Harmon)によるアドベントカレンダーの開封動画では、ステッカーやパラパラ漫画、中身の入ってないダストバッグ、ワックスシールと紐で作られたブレスレットなどのボックスの中身に彼女が失望した様子がとらえられている。また別の動画では「シャネル」にブロックされたと主張していた。
ブロックされたという主張に関して、「シャネル」は「事実無根」と否定。「『シャネル』のTikTokアカウントはこれまで一度もアクティブ化されておらず、誰もブロックしたことはない。非公開アカウントでコンテンツも投稿されておらず、フォロワーもいないため、ハーモンさんがわれわれのアカウントのページを訪れたとき、他の人と同様にこのアカウントにアクセスできないという旨のメッセージが表示されたのだろう」と回答した。
さらに、「われわれのSNSアカウントのページは誰にでもオープンで、世界中の何百万人ものフォロワーがわれわれをフォローしている。SNSの定められたルールを守っている限り、友好的であれ批判的であれ、ユーザーが感情や意見を主張するのはもちろん自由だ」とSNSで得た意見を受け止める旨を明らかにした上で、「SNSで得たコメントは確認しており、アドベントカレンダーに失望した人々がいたことを申し訳なく思っている」と加えた。
ハーモンは開封動画でカレンダーのパッケージを褒めていたが、パブロフスキー=シャネル ファッション部門兼シャネル SASプレジデントによれば、アドベントカレンダーにはサステナブルな素材を使用していたという。「デザインと素材という点においてはこれまでになく美しいものだと思う。しかし今後は、例えばビューティカテゴリーの商品などこのような企画により適した別のアプローチをとるだろう。いずれにせよ、カレンダーの目的は商品のプロモーションであって議論を巻き起こしたり失望させることではなかった」と同氏は語った。