岩田翔と滝澤裕史が手掛ける「ティート トウキョウ(TIIT TOKYO)」が、東京・青海の東京国際クルーズターミナルで“2021年コレクション”と題したファッションショーを行った。ブランド設立10周年の節目となる今シーズンのテーマは“Wood Message”。プレスノートには、「自然と対話しながら、外の世界に思いを馳せる。新しい旅を夢見る物語」と記されていた。会場には、草木やウッドチップ、石のオブジェを並べ、巨大なモニターに年輪をイメージしたビジュアルを映し出した。
ルックでは、22-23年秋冬の新作に加え、コロナでショーができなかった21-22年秋冬と22年春夏のアイテムもミックスした。ランウエイには、過去にも出演している女優の小松菜奈も登場した。
ファーストルックは、ウインドウペンのブラウスとパンツのセットアップ。袖の生地は不規則にたぐり寄せ、前身頃はボタンによっていびつなシェイプが作られている。深いグリーンのシアー素材のブルゾンや薄いブラウンのワンピースなど、日本の自然の風景に着想したニュアンスカラーが、コレクション全体に奥行きを加える。
中盤は、シルクハットやフリルシャツ、ラッフルなどのディテールで中世ヨーロッパを思わせるルックが登場した。ミニショーツを合わせたり、シアー素材やカットアウトなどで肌を見せたりして、センシュアルなテイストも添えた。揺らめく花のモチーフを押し出したワンピースやダマスク柄のセットアップ、草花をデフォルメした総柄ワンピールなど、柄の面白さも際立った。最後は、夕日のような力強い赤色のドレス。濃紺のラッフルが、夕方から夜へと移り変わる風景を思わせた。フィナーレは、船旅に向かう客のように見え、“新しい旅”というショーのメッセージを感じた。