ファッション

「アディダス オリジナルス」NFT参入の理由 「スポーツのあり方が変わる」

 「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は、ブランド初のNFTコレクション“イントゥ ザ メタバース(Into the Metaverse)”を12月18日に発売する。NFTブランド“ボード エイプ ヨット クラブ(Bored Ape Yacht Club)”“ジーマネー (gmoney)”“パンクス コミック(PUNKS Comic)”の3者と共同開発したコレクションで、緑のトラックスーツや黒のフーディー、オレンジのビーニーなどを用意する。購入者はNFTと同じデザインのプロダクトを現実で入手できるほか、NFTゲーム「The Sadbox」などで使用可能なバーチャルウエアを手に入れることができる。各NFTの価格は、0.2イーサリアム(約8万8000円)。

 NFTへの参入は「マネタイズが目的ではなく、もっとも勢いのあるコミュニティを知るためだ」と語るのは、プロジェクトメンバーのエリカ・スニード=ワイクス(Erika Sneyd-Wykes)だ。「『アディダス オリジナルス』は、常に新しいフロンティアでコラボしてきた。NFTは、世界中のクリエイターが、新しいやり方で存在感を強めている場所。このコミュニティによって、スポーツのあり方が変わるかもしれない。どんな人がいて、何が起こっているのかを知ることが第一だ。われわれには何ができるのかを、信頼できるパートナーとともに学んでいきたい」。

 プロジェクトの発端は、「アディダス」フットボールのEC担当者の小さなアクションだった。同スタッフが昨年のクリスマスシーズンにNFTのニュースを見て、「社内でやっている人がいるか」とヒアリングしたところ、複数の社員がNFTをやっていたという。上層部がこれを面白がり、部署を横断した社内タスクフォースとして、NFT参入プロジェクトが始動した。経理や人事など、普段は顔を合わせない異業種のスタッフも共にプロジェクトを進めている。

 同コレクションで協業した“ボード エイプ ヨット クラブ”“ジーマネー”“パンクス コミック”は、今もっとも支持されるNFTブランドの一つだ。例えば“ボード エイプ ヨット クラブ”は、米を拠点とする企業ユガ・ラボ(Yuga Labs)が手掛けるコレクションで、“Bored Ape(退屈した猿)”をモチーフに表情や服装が微妙に変えた作風が人気だ。9月には、サザビーズのオークションで101点の“Bored Ape”コレクションが2440万ドル(約26億8000万円)で落札されたことでも話題となった。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。