毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年12月20・27日号からの抜粋です)
中村:恒例のベストコスメで、僕はバラエティー&ドラッグストア&ECを担当しましたが、今回はリップのベストが新製品も総合も全部ティント系、分かりやすい傾向でした。明らかに“マスクに付かない”が求められていますね。
牧田:百貨店でもティント系がランクインしています。今まではアイメイクばかりでしたが、マスクを外した際にやはり口紅はつけていたい、でもマスクに口紅がつくのはイヤということですね。ティントには唇が乾燥するという印象があったのですが、保湿成分を配合し、つけ心地もアップしたものが増えています。
中村:「ロムアンド(ROM&ND)」などを輸入している韓国高麗人参社の、ヒットの先見の明があると評判のキム・ナユン代表も「来年は、カラーコスメやベースコスメでスキンケア効果のあるものが絶対にくる」と言っていましたが、やはりそういう傾向があるんですね。
牧田:百貨店ではスキンケア重視が継続していて、メーカー側も定番アイテムをアップデートして発売しました。そのあたりはやはり強かったです。
中村:バラエティーショップでは、人気サロンや美容師がプロデュースした商品がランクインしているのが新しい動きですね。今まではサロンで売っているものを特別に扱っている感じだったのですが、これらはドラバラ用に開発された商品で、ヒットしています。
牧田:サロンブームが広がってますね。
中村:フレグランスでは金木犀の香りが売れましたね。ピンポイントで花の名前が出てきて、いろんなアイテムで売れたというのは、結構珍しいことでしたよね。香りを嗅いでも、あんまり特別感を覚えなかったんですけど(笑)。
牧田:マイルドな香りでしたよね。30代後半以上にはトイレの芳香剤のイメージがあるのですが、20代には新鮮だったようですね。花には癒されますし、2022年春夏のメイクの新製品でも花からのインスピレーションを得た製品が多いです。何か新しい花にスポットが当たっても面白いかも。
中村:タンポポとか出てきてほしいですね。