「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第12弾は、【Z世代】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。
ポッドキャスト配信者
佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン
ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む
若手2人が考える【Z世代】
「Z世代」は、主に1990年代後半から2010年前後までに生まれた人を指す言葉。1つ上のジェネレーションは1980~90年代前半のミレニアル(Y)世代で、Z世代の親の多くは、2つ上の1960~70年代のX世代だ。世代の境界を何年にするかは曖昧で、1994~2000年頃のZ世代とミレニアル世代の両方でもあり、どちらとも言えない世代をジレニアル(zillenial)世代とも呼ぶ。
人格形成に大きく影響する時事的イベントや社会の風潮を共に経験しているから、世代ごとに近い価値観や思想を持っていると考えられている。例えば、Z世代は9・11同時多発テロやリーマンショック、東日本大震災などを幼いながら経験し、現在進行形でコロナ禍の青春を過ごしている。先進国での同性婚の合法化が活発になり、インターネットを駆使したBLM運動などの社会の動きを肌で感じてきた。
Z世代は、社会運動への積極性で知られる反面、政治経済の不安定さ、自然災害の脅威を目の当たりにしたがゆえにミレニアル世代よりも安定を求めがちとも言われている。金銭的には貯蓄する傾向があり、“消費離れ”、“ブランド離れ”など何かと“離れる”ことで注目されている。
一方で、TikTokなどソーシャルメディアでこれまでにないスピードでトレンドを作り出しているのも事実。国内では“エモい”を求めるトレンドで昭和レトロなアイテム、音楽や場所への関心が再燃、“ネオ大衆酒場・居酒屋”などが各地にオープンしている。ファッションやビューティでは、ジェンダー、体型や肌の色に関わらず楽しめるブランドやアイテムがマーケットに増え続けている。
【ポッドキャスト】
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。