ファッション

ドレイクらが出資するeスポーツブランド「100シーヴス」が約67億円を資金調達

 カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活動するeスポーツ団体でゲーミングライフスタイルブランドを展開する「100シーヴス(100 THIEVES)」は12月、シリーズCの資金調達ラウンドで、6000万ドル(約67億円)を調達した。新規の投資家を獲得したほか、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の主要株主であるグループ・アルノー(GROUP ARNAULT)のテック投資会社、アグラエ ベンチャーズ(Aglae Ventures)などが追加投資を実施。これにより同社の企業価値は4億6000万ドル(約519億円)に達した。

 同ブランドは、2017年にeスポーツアスリートとして活躍したマシュー・ハーグ(Matthew Haag)が引退後に設立し、最高経営責任者を務める。オーナーと役員には、社会学者のダニエル・ギルバート(Daniel Gilbert)、ラッパーのドレイク(Drake)、音楽プロデューサーのスクーター・ブラウン(Scooter Braun)などが名を連ねる。

 設立以来、1億人のファンを持つコミュニティーを構築し、20年にはコンテンツ制作スタジオとショップを兼ねた約1400平方メートルのeスポーツ施設をオープン。これまで「グッチ(GUCCI)」とのコラボレーションでバックパックを発売するなどしており、21年10月にテクノロジー・ハードウェア企業のハイグラウンド(HIGROUND)を買収している。彼らによると、2021年の売上高は前年の2倍以上になっているという。

 今回の資金調達により、主力のeスポーツ、エンターテインメント、アパレルの成長を加速させ、新規事業や戦略的買収などを行う計画だ。「われわれがeスポーツ、コンテンツ、アパレルにおいて期待を上回り、計画を達成したことが、投資家やコミュニティーに認められた」と、ジョン・ロビンソン(John Robinson)社長兼最高執行責任者。「この資金を活用によって、『100シーヴス』の次の章を開くことができる。私たちはまだ“始まったばかり”だ」。

 「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」のほか、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「モンクレール(MONCLER)」がオンラインゲーム「フォートナイト(FORTNITE)」とコラボレーションしたり、「ロブロックス(ROBLOX)」にナイキランドが登場するなど、多くのブランドがゲームとの直接コラボに軸足を移している。しかし、eスポーツ団体や、トーナメントでの勝利とコンテンツストリーミング、グッズを組み合わせた戦略に対する関心と成長の余地はまだまだあると言えそうだ。

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