ネットフリックス(NETFLIX)は、ドラマ「エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)」のシーズン2を12月22日から配信している。「セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)」を手掛けたダーレン・スター(Darren Star)監督とスタイリストのパトリシア・フィールド(Patricia Field)が再びタッグを組んだシーズン1はファッション的に多くの議論を巻き起こしたが、シーズン2でも同ドラマのファッションは引き続き注目の的のようだ。
ファッションECのポータルサイト、「ショップスタイル(ShopStyle)」によれば、同ドラマのキャラクターが着用したアイテムの検索数がシーズン2配信開始から24時間もしないうちに急上昇したという。
同サイトによれば、例えばリリー・コリンズ(Lily Collins)演じるエミリー・クーパー(Emily Cooper)が着用したベレー帽をキーワードにした検索数は配信前と比較して43%増えたという。マリンボーダーのニット、ギンガムチェックのテイラードジャケットとバケットハットはそれぞれ42%増。赤いドレスの検索数は41%増え、ニーハイブーツは37%増えた。また、エミリーが劇中で頻繁に着用しているブランド「ディオール(DIOR)」のインターネットの検索数は40%増えた。
シーズン2ではマリリン・フィトゥシ(Marylin Fitoussi)が衣装を手掛け、パトリシア・フィールドは衣装コンサルトとして関わっているが、引き続きプリントと色を多用したエミリーのファッションは健在だ。特にヘッドピースは、エミリーのシグニチャーアイテムとしてイエローのベレー帽、白と黒のバケットハット、チェックのバケットハット、ヘッドスカーフ、カチューシャなどあらゆる形で登場。大きなサングラスや全身単色コーデ、グローブもエミリーのお気に入りのファッションのようだ。ここでは米「WWD」による、ウィットと皮肉に富んだエミリーのシーズン2のファッション評を紹介する。

このスタイリングはエミリー流のクラシックを象徴している。ハート柄という王道プリントのラッフルスリーブドレスは、パリを舞台にしたラブコメファンタジーにぴったり。この手の膨らんだヘアはハロウィン以来見かけてないが、ヘアスプレーの威力に拍手を送りたい。

フォレストグリーンのバッグはシックだが、さすがはエミリー、色に色を重ねるコーデはお手のものだ。緑にピンク、柄オン柄、レイヤー術。このルックには全てがそろっている。このヒールで石畳のパリの街をどう歩くのだろうか?

同作ではストーリーだけでなくエミリーのヘアスタイルもファンタジー(非現実的)なようだ。パリジェンヌはできるだけナチュラルなヘアスタイルを好むことで知られるが、エミリーはヘッドピースとヘアスタイルを可能な限り盛り込む。パリらしい「クレージュ(COURREGES)」のパープルのジャケットには、お団子ヘアにスパンコールがたっぷりついたミニドレスを合わせた。夜の女子会にはぴったりだ。

イエローのベレー帽、ブラックのプリントワンピース、カラフルな半袖ジャケット、そして脇にあるのはイエローのハンドバッグ!?あらゆる要素が詰まったこのルックに足りないのはクロワッサンくらいだ。

いつもロマンチックなエミリーの人柄とシーンに合った、レッドとピンクのスタイリングは、われわれでも支持したい。(隣を歩くのはシーズン2で登場する新たな恋のお相手と噂のアルフィーだ)。気合いが入りすぎてないポニーテールヘアにツイードのスカートはとてもシックだ。

さまざまなプリントをボーダーで合わせたワンピースは、エミリーしか着こなせる人がいなそうだ。柄をたっぷり盛り込んだこのワンピースに、さらに柄のバケットハットを合わせようなんて誰も思いつかないだろう。そこにさらにコーラルカラーのプラットフォームサンダルを合わせれば、エミリー流美的感覚が詰まったコーデの完成だ。

サントロペに電車で向かうシーンでエミリーが選んだのは、ヘッドスカーフに大きなサングラス。昔の映画に登場する女優のようだが、エミリー的にはシックなフランスの電車旅にぴったりだったのだろう。主人公の貫禄を感じさせる。

南仏のリゾート地、サントロペに到着したエミリーはビーチスタイルを披露。カラフルなカフタンにウェーブヘア、もちろん大きなサングラスも忘れない。これから海で泳ぐ人のコーデではないが、エミリーのことだから無意識にファッショナブルになってしまうのだろう。

ハート柄ドレスやレッドとピンクのコーデを目の当たりにした視聴者なら、この巨大なリボンのドレスの登場にも、そこにさらに緑のプリントのシルクローブをエミリーが合わせてきても驚かないだろう。

緑のチェックジャケット、ハート柄スカート、ボーダートップスは、本来到底マッチしないコーデだ。しかしエミリーに到底マッチしないコーデを着ないという選択肢がないのは、みんな重々承知している。

またもバケットハットの登場だが、今度はパリの石畳の上を歩けそうなブーツと合わせた。このバケットハットさえなければ、ニューヨークのソーホーで実際のファッショニスタが同じような格好をしていてもおかしくはないと言えよう。

田舎旅行に全身イエローコーデは、超甘々で豪華すぎる。エミリー、われわれの完敗だ。