ファッション

「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」2016年春夏パリ・コレクション

REPORT

原始的な服と日本の技術で織りなすアフリカンスタイル

会場は、ヴァンセンヌの森の入り口にある歴史博物館。元々、アフリカやオセアニアに特化した民族博物館だった場所だ。

冒頭は、単色に染めたシャツドレスのバリエーション。裾がバルーン状のものや、袖口にラッフルを付けたものなどどこかにボリュームを持たせている。首回りはレザーベルトを幾重に巻いたり、サークル状にカットしたレザーをつなげたり。身体を拘束するようなものもある。

中盤は、多色使いのボーダーや千鳥格子のニットのバリエーションや、アフリカで見られるような民族調のプリントを用いたドレスなど。プリントの柄は一からデザインを起こしたオリジナルだという。ドレスは布を纏うかのような原始的なデザインが多く、形を変えて登場するレザーのアクセサリーや印象的なヘッドピースも相まって、コレクションは徐々に新しい民族のための衣装に見えてくる。終盤は単色ドレスと幾何学デザインのレザーアクセサリーを合わせたスタイルで、ショーの幕を下ろした。

特筆すべきは、日本の技術を生かしたモノ作りをしている点で、例えば、リーフ柄の透けるコットン素材は、和紙を貼り付けて柄を描いている。スリーブに付けた円形のアクセサリーは、つなぎ目がなく形状を作る高い技術を用いたもので、日本で作られているという。

布を巻いたような原始的な服と、高い技術をミックスした今シーズン、ショーに用いた音楽もまた、民族の儀式での歌声と、電子音、打楽器を打つような音がミックスされたものを用いた。

 

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