J.フロント リテイリングの2021年3〜11月期業績(国際会計基準)は、営業損益が44億円の黒字だった。前年同期の184億円の赤字から転換した。主力の大丸松坂屋百貨店では緊急事態宣言が解除された10月以降、入店者数や売り上げが少しずつ回復している。総額売上高は前年同期比16.6%増の6233億円、純損益も20億円の黒字(前年同期は215億円の赤字)に戻した。
大丸松坂屋百貨店は総額売上高が同19.3%増の3543億円だった。ラグジュアリーブランドなど高額品がけん引した。店舗別の売上高をコロナ前の19年3〜11月期と比べると、ターミナル駅の立地で集客する大丸東京店や大丸梅田店が未だ4割前後の減収であるのに対し、外商などの固定客に強い松坂屋名古屋店は14.7%減、大丸神戸店は12.3%減まで戻している。ターミナル立地も宣言明け以降は客足が回復傾向にある。
通期(22年2月期)は、総額売上高が前期比19.8%増の9220億円、営業損益が55億円の黒字(前年同期は184億円の赤字)、純損益が10億円の黒字(同156億円の赤字)を見込む。