専門店チェーン、セレクトショップの2021年12月度売上高(既存店ベース)は、月前半から半ばにかけて気温が高く推移したことで、前年を割り込んだという声が目立つ。年末以降は寒波で気温も下がっている。年末年始商戦は「悪くない」という声が多い。
国内ユニクロは前年同月比11.1%減と、21年8月以降5カ月連続の前年割れ。21年8月期決算会見で予見した通り、厳しい状況が続いている。「12月26日以降は気温も下がり、年末祭も好調だったが、それまでの期間が温かったことで、防寒商品全般の動きが鈍かった」と広報担当者。
一方で、コロナ禍以降業績回復が目立つ「ファッションセンターしまむら」は、同1.6%増と気を吐いている。同社は11月21日〜12月20日での集計のため、気温が下がった月末が入ればさらに数字が伸びていた可能性はある。「冬用の機能素材の肌着やタイツ、ダウンジャケットなどが売れた」(発表資料より)ことに加え、「ミセス・シニア向けでフォーマル関連商品も復調傾向が強まった」。
良品計画の「無印良品」は同1.7%減。「実店舗の既存店売り上げは前年実績、予算共に上回っている」(広報担当者)といい、前年割れはECの不調によるもの。「以前からECのUI/UXは課題と認識しており、順次改善を重ねている」。12月29日〜1月3日は「既存店売り上げ、客数ともに前年同期比2ケタ増だった」。
ユナイテッドアローズは同16.4%増と大幅増。ただし、前年12月は一昨年に対し21.7%減と大きく落としていたため、その反動分もある。「期初の想定に対し、消費の回復は若干弱め。しかし回復の度合いは10月から徐々に強くなっている」(広報担当者)という。年明けの販売に関しては、「比較的手応えはよい」。
アダストリアは、明日6日に12月度の月次を発表する。
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