精密機器であり、また妥協せずに贅を極めることが価値であることから、時計はアパレルに比べてサステナビリティへの取り組みが立ち遅れていた。しかし、コロナ禍に伴うパラダイムシフトも相まって大きく前進した。
例えば、スイスの時計ブランド「ブライトリング(BREITLING)」は、2018年にプロサーファー、ケリー・スレーター(Kelly Slater)のブランド「アウターノウン(OUTERKNOWN)」とパートナーシップを結び、海に漂う漁網などのナイロン廃棄物をリサイクルした“エコニールヤーンストラップ”を採用したモデルを発表したり、ペットボトルをアップサイクルした素材だけでウオッチボックスを作ったりしている。また18年からは、世界153カ国以上で海岸清掃を行うNGOオーシャン・コンサーバンシー(OCEAN CONSERVANCY)をサポートし、日本国内でもビーチクリーンを実施。20年からは12カ国で80以上の森を再生させ、世界経済フォーラムの「1兆本植樹イニシアチブ」にも参加するSUGi(スギ)を支援し、21年10月に日本初のプロジェクトとして城山熊野神社(東京都板橋区)の境内に植樹するイベントを行った。
アウレリア・フィゲロア(Aurelia Figueroa)「ブライトリング」ヘッド・オブ・サステナビリティは、「われわれはサステナビリティの柱として“5P”を掲げる。1.プロダクト(Product)、2.地球(Planet)、3.ピープル(People)、4.プロセス(Process)、5.繁栄(Prosperity)からなり、各分野において業界をリードする戦略を策定・実行している。また『ブライトリング』では、部署や地域が異なる100人近い社内外のステークホルダーを巻き込み、一気通貫でサステナビリティ優先度評価を行っている。これに基づき、プライオリティーを定め、ミッションや達成までのスケジュールを明確化している」と話す。
ブライトリング・ジャパン
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