米「WWD」によると、伝統的に“ウィメンズ”として販売・生産されてきたハンドバッグが男性の間で注目を集めているという。ロンドンを拠点とするコンセプトストア「マシーンA(Machine-A)」を運営するスタブロス・カレリス(Stvros Karelis)創業者兼バイイング・ディレクターは、「これは非常に大きなトレンド。伝統的に“ウィメンズ”とされてきたバッグを持つことに抵抗のない男性は増えるばかり。むしろ、あえて持つことでジェンダーの流動性を楽しんでいる。次世代の人の多くはアイテムのジェンダーを気にかけるより、デザインや自分がどう感じるかを大切にしている印象だ。ドレスアップしたときに自信を感じたりすることや、美しいデザインのバッグを持つことに重きを置いている」と語る。ここでは、そんな“次世代”の一員であるファッション系サークルに所属する男子大学生3人を集め、バッグに関する価値観や消費動向などの実態を聞いた。
WWD:皆さんは普段どのようなバッグを使っていますか?
小林正樹(以下、小林):主にバックパックとサコッシュが多いです。でも、「ジル サンダー(JIL SANDER)」の手持ちでも肩掛けでも使える巾着型のバッグは気に入っています。
橋本圭史(以下、橋本):メッセンジャーバッグかバックパックの二択で、それ以外は全部ポケットに入れています。それもあってテック系やワークウエアのようなスタイルが好きで、そもそもポケットが大きい服を見て買い物をしますね。
カナモリコウキ(以下、カナモリ):色が派手なバッグがほとんどです。ウィメンズやユニセックスも大好きで、お気に入りは「アグ(UGG)」と「テルファー(TELFAR)」のコラボバッグや、「ヘブン バイ マーク ジェイコブス(HEAVEN BY MARC JACOBS)」のバッグなどです。今はスマートフォンで多くのことができるし財布も小ぶりで、荷物もそもそも少ないので、お出かけの時は小さめのカバンを持ちます。
WWD:カナモリさんは、WWDJAPAN 9/20号でZ世代のベストバイアイテムを調査した際にも「ヘブン バイ マーク ジェイコブス」のハンドバッグをあげていましたね。実際ウィメンズのバッグを持っているときの周りのリアクションは?
カナモリ:「それウィメンズじゃないの?」と突っ込まれることもなく、全然「かわいいね」っていうテンションです。僕がウィメンズバッグを使っているのをみて、僕より年上の知人に「その選択肢ありなんだ」っていってもらえたことがあります。その後彼は仕事用のトートバッグにウィメンズで選んだバッグを使っていて、本当にただ発想がなかっただけなんだろうなと思いました。
WWD:買い物をする際に、バッグのジェンダー分けは意識しますか?
橋本:わざわざチェックはしないけど、ウィメンズコーナーにあると抵抗はあります。すごく意識しているわけでもないんですが、ウィメンズ・メンズの言葉で分けられていると、「これは自分向けじゃないな」と感じます。心の距離はありますね。
小林:意識はしないですね。ビビッときたらウィメンズ・メンズに関係なく買います。デザインや自分のムードが優先です。
カナモリ:メンズのバッグって、デザインが何かと四角形であったり、単調なものが多い印象を受けます。そういったものより、個性豊かなウィメンズのバッグに惹かれる傾向があります。がっつり売り場が別れていると入りづらいこともありますが、自分では意識しないです。
WWD:それでも少し抵抗があるスタイルはある?
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