さまざまなコストの上昇に伴い、衣料品でも値上げの機運が高まる中、「無印良品」を運営する良品計画は現行価格を維持する方針だ。7日に行われた21年9〜11月期決算説明会で堂前宣夫社長が見解を述べた。
綿花を例に挙げ、価格高騰は投機的な背景もあって今後も続くか疑問とした上で、「右往左往して価格を下げたり上げたりするのは、買う立場からみてよくない」「ベーシックな商品に関し、長い目で見てこの価格で販売できると決めたものは維持したい」と話した。ただ今年秋以降の製品に関してコスト上昇による利益圧迫は避けられない。「(値段に左右されない)無印良品らしい商品企画をしっかり強化しなくてはいけない」とも付け加えた。
「無印良品」はほぼ毎シーズン、複数の定番商品の値下げを実施し、店頭などでキャンペーンを展開してきた。だが今年は状況を鑑み、例年のような値下げは見送る。
同社の9〜11月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前年同期比6.9%増の1229億円、営業利益が同15.3%減の111億円、純利益が同36.0%増の78億円だった。国内外の出店拡大によって増収になったが、衣料・雑貨の値引き処分の増加によって減益になった。国内の衣料・雑貨の売上高は同13.8%減だった。東南アジアのロックダウンによる納期遅れと、秋口の高温がマイナス要因になった。また秋冬から拡充した男女兼用の服も「サイズ表記が分かりづらかった」(堂前社長)として、表記の見直しを図る。