毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年1月3・10日号からの抜粋です)
村上:最近DXやサステナビリティにまつわるセミナーに登壇すると、皆さん「どうやるべきか?」は一生懸命考えているのに、「そもそも何のためにやるのか?」を問うと、意外と答えに窮するんです。結構いろんなところで「パーパス」を再確認すべきなのかも?と思って特集したいなぁと。
牧田:そうですね。新しい時代のブランドディクター養成講座をエデュケーション事業でも考えていたので、パーパスデザインに詳しいKESIKIの九法崇雄さんにサポートしてもらいました。
村上:パーパスをきちんと持っていて、それが製品に反映されていれば、生活者に共感されやすいし、会社や組織としても同じ方向を向いて仕事ができるようになるなど広がりが期待できるよね。だから今回はパーパスでファンを育んでいるブランドや、社内でしっかり共有できている会社を取材し、パーパス由来の意志を発信する際に配慮すべきポイントも網羅できたね。
牧田:はい。実は私、「なんで今、パーパスなのか」が疑問だったんです。理念やビジョンって、企業もブランドも皆、持っているはずなのに、なぜ今そこに注目が集まるのか。取材を進めていく中で、昨今多様化が是とされ、皆が同じでなくて良い流れになった分、正解が曖昧になってきているんだな、と感じました。もともとあった理念が多様化という概念で薄まってしまったのではないでしょうか。だからこそ今、社内にもお客さまにもしっかり発信して、伝えていくことが必要なんだと考えました。
村上:業務が多角化し、DXやサステナビリティで門外漢の勉強を迫られて、ますます忙しくなって、気付いたら「私たち、何を、なんのためにやっていたんだっけ?」状態になってしまったんじゃないかな?“絶対の正解”もなくなったからね。でも、ブランドとしてはまとまりを保たなければならない。そこで改めて“私たちの正解”を見いだすタイミングが来たんじゃないかな。「必ずしも共感を得られるとは限らない」という、ある種の覚悟も大事だなと感じた。
牧田:そうですね。興味を持った方にはぜひ特集を読んでもらい、4月開講の講座に参加していただきたいです!