ファッション

「マクアケ」は実行者のパーパスに伴走して自分たちのパーパスに近づく 共同創業者を直撃

 マクアケのパーパスに相当するビジョン「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」について、坊垣佳奈取締役/共同創業者は、「正直に言えばちょっと長く、綺麗な言葉でまとまってもいない」と打ち明ける。このビジョンは、「全社員から盛り込みたいキーワードを出してもらい、有志で整理して文章にしたもの。これ以上綺麗にはできなかった」。ただ「まとめすぎたりキレイにしすぎたりするとオリジナリティが欠落し、どこかで聞いたことあるようなものになってしまう。それは深い共感を生まず、人を動かさない」。「ザラッとしているワードを整理して繋げた」ビジョンは、オリジナリティを持つのみならず、それぞれの“自分ごと”化につながる。策定に参画したからこそ愛着が抱ける社員は、それぞれに経験があるからこそ、それぞれらしくビジョンを語る。企業にはビジョンがあるからこそ経営陣だけが先行し、一方でビジョンを共有できていない社員は右往左往してしまうケースがあるが、「共有していると、経営陣以外からもビジョンへの近道に導いてくれるメンバーが現れる」。一本筋の通ったビジョンは、「迷った時に立ち返ることができる」重要な存在でもある。

 大事なビジョンは、採用においても一番大事な判断基準だ。マクアケの採用には、「ビジョンフィット、カルチャーフィット、そしてスキルフィット」という順番のプライオリティがある。「いかにスキルがあっても、同じゴールを目指せないと求める成果は得られない。そしてスキルは伸ばせるが、ビジョンは価値観みたいなもの。言語化していても、心底理解できるか否かで組織の一体感や新しいチャレンジにおけるスピード感は大きく異なる」ため、「ビジョンフィット」は最重要視している。お互いのビジョンを確かめ合うような採用面接は、まるで「人生相談のよう」。マクアケが「どのポジションで、どんなスキルを求めているのか?」を一方的に伝えて確かめるのではなく、志願者には「人生で何がやりたいのか?」を「めちゃくちゃ聞く」。「ここでお互いがフラットに語り合わないと、この先お互いが困るから」という。

 ビジョンドリブンなマクアケは、ビジョンから生まれた新機軸に挑戦する実行者に伴走する。坊垣取締役/共同創業者は実行者について、「自らのビジョンに気づき、新しいものを生み出そうとしている人たち」と評するが、それでも「ビジョンを語れない実行者も存在する」。ビジョンに引っ張られるのではなく、同業他社を真似た世界観を構築しようとしたり、アップカミングな市場で勝負しようとモノづくりに挑んだりの姿勢を感じることは少なくない。そんな時事業者に伴走するキュレーターは「内在している本当にやりたいこと」を改めて共有し、次に「何を課題に感じているか?」をともに考える。

 こうしてビジョンから商品やサービスが生まれ、生活者と共有できて共感してもらい、結果、社会に少しでも貢献できるのは「精神状態が良いこと」。「『この業界で一位』は全然エモーショナルじゃないけれど、『自分たちのサービスで、世の中が少し良くなったり、生活が豊かになった人がいたりすること』を嫌がる人はいない」。課題を克服し、パーパスがにじむ商品やサービスを届けて社会に貢献する成功体験を重ねようとする事業者に伴走することで、「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というマクアケのビジョンを叶える。


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