オンワードホールディングスの2021年3〜11月期連結業績は、売上高が前年同期比6.0%減の1243億円、営業損益が9億4800万円の赤字(前年同期は102億円の赤字)、純損益が80億円の黒字(同145億円の赤字)だった。固定資産や関連会社株式売却による特別利益213億円により最終黒字を確保した。
9〜11月期では営業利益も黒字化(23億円)した。中核会社オンワード樫山のアパレル事業の復調が大きく寄与した。「9月までは厳しい市況が続いたが、緊急事態宣言の解除(10月1日)後は緩やかな回復基調に入った」と保元道宣オンワードHD社長。これまで進めてきた店舗・ブランド撤退などの事業構造改革の効果に加え、ECと店舗の在庫一元管理システムの本格稼働で販売機会ロスが減少。オンワード樫山単体の9〜11月期の営業利益は23億円と、前年同期(4億9700万円)から大きく伸ばした。
22年2月期通期では、売上高1746億円(前期比微減)、営業損益が10億円の黒字(前期は201億円の赤字)、純損益が82億円の黒字(同231億円の赤字)の従来予想を維持する。達成すれば、3期ぶりの営業黒字、最終黒字となる。
来期は3月1日付で、保元社長がオンワード樫山社長を兼務(鈴木恒則・現社長は会長に異動)するトップ人事を含めた組織改変を行い、オンワードHDの取締役4人がオンワード樫山の事業執行を兼ねる新体制でスタートを切る。「国内外での事業構造改革は出口が見えつつある。これまでは(コストを)“削る”ことに注力してきたが、反転攻勢に出る」と保元社長。「営業力と商品力の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進やOMO(オンラインとオフラインの融合)ストア出店など、攻めの投資を拡大する上では持ち株会社と中核会社の一体運営が必要。経営判断をスピーディーに実行していく」。