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米大手コンサル会社マッキンゼー、「消費者はリセールを求めている」

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 消費者の環境保護やサステナビリティに関する意識の高まりを背景に、リセール(2次流通)市場はここ数年で大きく成長しており、中古品を取り扱うさまざまなマーケットプレイスが台頭している。一方で、ブランド価値の毀損などを懸念して参入をためらうラグジュアリーブランドもまだ多い。米大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)が2021年11月に発表したリポートでは、20年に250億~300億ドル(約2兆8750億〜3兆4500億円)規模だったラグジュアリー分野のリセール市場は、今後10年で2倍以上に成長すると予想された。年間成長率は推定10~15%で、これは30年までに650億~1000億ドル(約7兆4750億〜11兆5000億円)にまで拡大する計算となる。

 同社のアキム・バーグ(Achim Berg)=アパレル・ファッション・ラグジュアリーグループ部門グローバルリーダーは、「主なブランドはすでに『ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)』などのリセールサイトで取り扱われており、ブランド側でそれを止めることはできない。何らかの理由でリセール事業に参入していないブランドは、リセールビジネスをこうした2次流通サイトに“奪われている”ことを認識するべきだろう」と語った。

 では、ブランド側がリセールに消極的なのはなぜだろうか。新品の売り上げとの食い合いやブランド価値の毀損を避けたい、ECに対してそうだったように様子見をしている、新たなビジネスモデルの準備ができていないなどの理由が考えられるが、最初の理由は杞憂かもしれない。前述のリポートによれば、回答者の46%がリセール事業に参入したブランドに肯定的で、今後もそのブランドを買いたいと答えているためだ。バーグ=グローバルリーダーは、「当社の市場調査によれば、少なくともフランスとアメリカではリセール事業はブランド価値を損なうものではなく、むしろ向上させる要因となっている。ブランドの中古品が売買されているということは、そのアイテムの人気や耐用性の高さ、そして購入後も一定の価値を維持していることの証明でもあるからだ。最近の消費者は、何を買うのかについて以前より熟慮するようになっており、その結果としてリセールを求めている」と説明した。

 実際、リセール事業に参入するブランドや小売りも増加している。「アディダス(ADIDAS)」は、中古衣料ECのスレッドアップ(THREDUP)と提携し、21年10月にリセールプログラム「チューズ・トゥ・ギブ・バック(Choose to Give Back)」を試験的に立ち上げた。これはスレッドアップの専用キットに中古のシューズ、アパレル、バッグなどを入れて送ると、品物の状態に応じて、「アディダス」の会員制プログラム「クリエイターズクラブ(Creators Club。日本や中国では「アディクラブ(adiCLUB)」として展開)」のポイントやクーポンがもらえる仕組み。中古品のブランドは問わない。状態の良い品物はスレッドアップで販売され、それ以外は同社のネットワークを通じてリサイクル業者などに送られるという。11月には「クロックス(CROCS)」がやはりスレッドアップと提携し、同様のサービスを提供している。

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