東京・三軒茶屋発ナチュラルワインを扱うショップ「ペロウ(PERO)」が下北沢の商業施設「リロード(RELOAD)」内に第2号店をオープンした。ナチュラルワインブームだが、何をどのように選んだらいいか、どのような料理に合わせたらいいのか疑問を持つ人が多い。私自身ワイン派だが、ナチュラルワインに関しては初心者。最近は、ナチュラルワイン好きの友人や取材などを通して触れる機会が増えていると実感する。ナチュラルワインに興味はあるけど、どこで、どのように試したらいいか分からない人にぴったりの店が「ペロウ」だ。
店名の“ペロウ”とは、イタリア語で、“しかし・だけど”という意味で、イタリアレストラン「ブリッカ(BRICCA)」の姉妹店として2017年に三軒茶屋にオープンした。2店舗目となる下北沢の店舗も、“飲めて、買える”場所だ。ショップには、セラーおよびカウンターがあり、ナチュールワインと「ブリッカ」のオーナーシェフによるおつまみも楽しめる。店舗では、作り手の顔が見えるイタリアのナチュールワイン約300種類を販売する。
作り手のこだわりと愛情が注がれたナチュラルワイン
プレオープンでは、3種類のナチュールワインと鯖と里いものテリーヌなどのオリジナリティのあるおつまみが提供された。まずは、「リ フォル」というピエモンテ州のモスカートを使用したナチュラルワイン(2860円)で、甘味はあるがスッキリとしたドライな味わいが特徴だ。次は、ラツィオ産のオレンジワイン「レ コステ」。飲む楽しさを追求した1リットルのワイン(3520円)はオレンジワイン独特の酸味が効いている。最後は、イタリアのホワイトワインの代表格であるピノ・グリージョを使用したナチュラルワイン「ダミアン」。ぶどうの皮と種子を約1カ月発酵させたのちに、大樽で18カ月、瓶で12カ月熟成させたワインは赤ともロゼとも形容し難い絶妙な色味と味わいだ(6270円)。ワインごとにグラスを替えてサーブされ、色や香り、味をじっくりと楽しむことができた。
和食にもぴったり、いろいろな楽しみ方ができる
「リロード」から声がかかりオープンした「ペロウ」2号店。ブリッカとペロウの森田雅人ジェネラルマネジャー(GM)は、「イタリアのナチュラルワインは“3待つ”が大切。まずは、完熟したぶどう、次に発酵、そして熟成が大切だ」と話す。彼は、もともとプロダクトデザイナーを目指していたが飲食業へ転向。イタリア・ローマの飲食店で働きながらワインの作り手とコネクションを作ってきた。縁があり、北イタリアのワイナリーに住み込みで働いた経験の持ち主だ。「『ダミアン』のピノ・グリージョは白ぶどうの皮と種を完熟させたから、あのような赤い色味になった。味噌や醤油といった日本の調味料にも合う。ちらし寿司との相性は最高。前日にコルクを開けてデカンタージュしたベストな状態だ」と森田GM。デカンタージュというと、大きなデキャンタに入れてというイメージがあるが、時間があればボトルのコルクを抜くだけでもOKだという。
プロダクトデザイナーを目指した森田GMだけあり、ワインのギフト用ボックスも手作りでこだわりが詰まっている。
「ペロウ」は、平日は午後3時から、土日祝日は午後1時から営業。ちょっと立ち寄ってナチュラルワインを楽しむのもよし、ギフト用のワインを買うのもよし、大人の下北沢の楽しみ方を提案する店だ。