ファッション

東レが100%植物由来原料のナイロン生地 アウトドア向けに展開

 東レは100%植物由来の原料で作ったナイロン生地を開発した。

 2023年秋冬シーズンのスポーツ、アウトドア用途で販売する。これまでもユニチカなどがヒマシ油を原料にしたナイロン繊維を展開していたが、融点の低さや染まりにくいなどの課題があり、産業資材などが先行し、衣料品向けの展開は進んでいなかった。東レは、外部からヒマととうもろこしを原料にしたナイロン原料チップを調達、糸と生地を生産する。一般的なナイロン糸とほぼ同等の性能を持つという。東レの大塚潤スポーツ・衣料資材事業部は「数年前から100%植物由来のナイロンやポリエステル繊維の開発を進めていたが、性能面で従来のナイロンと同等のものがなかなか製造できなかった。原料チップの調達に関しては原料メーカーと独占契約などは結んでいないが、紡糸が非常に難しく、他の繊維メーカーによる量産化のハードルはかなり高いはずだ」と自信を見せる。一般的なナイロン生地に比べ、3〜4割ほど高くなるため、「環境意識の高い海外のアウトドアブランドがまずはターゲットになる」という。

 本日14日から千葉県の幕張メッセで開催の「東京アウトドドアショー2022(TOKYO OUTDOOR SHOW 2022)」で発表した。

 100%植物由来ナイロンは、バイオマス由来製品の統合ブランド「エコディア」で展開し、製品名はポリマーの名前を使用した「エコディア N510」にする。10デニール(デニールは糸の太さの単位、10デニールは9000メートルで10グラム)の、ファインデニールの糸の生産に成功しており、主にダウン向けのタフタ、インナーのスポーティーなカットソー、テント用途などで展開する。初年度の販売数量は20万メートルで売り上げは2〜3億円、25年度には60万メートル、7〜8億円の販売を見込む。

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