「ギャップ(GAP)」は1月13日から順次ブランド初となるNFTコレクションを発売している。同コレクションは、デジタルとリアルの両方で展開するという。コミュニティー、クリエイティビティー、自己表現をテーマに、“フランク・エイプ(Frank Ape)”で知られるアーティスト、ブランドン・サインス(Brandon Sines)とのコラボレーションにより実現した。コレクションは “Common(一般)”“Rare(素晴らしい)”“Epic(最高)”“One of a Kind(唯一無二)”の4段階に分けられ、先着順で販売する。
フランク・エイプのアートに込められたポジティブで平等な価値観と「ギャップ」の価値観が合致したことが今回の協業に至った理由だという。「われわれはアメリカらしい楽観的な精神にあふれた彼のポジティブなメッセージが大好きだ。『ギャップ』のNFTをクリエイターのためのプラットフォームとして活用し、デジタル上のアートコミュニティーの発展に寄与できることにわくわくしている。これは氷山の一角にすぎない。今後『ギャップ』はデジタル資産の可能性を広げ、皆の創造性を解き放つはずだ」と同ブランドのウィメンズウエアデザイン部門のミシェル・パーク(Michele Park)=シニア・ディレクターは明かす。
「ギャップ」のNFTの発行には、エネルギーの効率化やスマート・コントラクトで知られるブロックチェーンプラットフォーム、テゾス(XTZ)を採用した。消費者の間ではNFTが脚光を浴びているが、ブロックチェーンを活用したスマート・コントラクトは、安全性が非常に高く特定の条件を満たせば自動的に実行されるため、さまざまな分野の水面下で強い関心を集めている。「ギャップ」の今回の取り組みは、VIPイベントや限定アイテムへのアクセス権や、新たな顧客サービスの提供など、その他のプロジェクトの礎にもなりそうだ。
さらに、テゾスはエネルギー消費量と二酸化炭素排出量の少なさを武器にしているため、テゾスと協業することは「ギャップ」の環境保護に対する取り組みをより強調することになる。ギャップのジョン・ストレイン(John Strain)=チーフ・デジタル&テクノロジー・オフィサーは、「顧客と永続的な関係を築くためにわれわれは常に進化している。地球に優しいブロックチェーンで、顧客と今までにない形でつながることができる」と語る。
なお“Common”は13日に約980円に相当する2XTZで、“Rare”は15日に約3000円に相当する6XTZで、“Epic”は19日に約5万円に相当する100XTZで、“One of a Kind”は24日にオークション形式で各日9時(現地時間)に販売される。“Common”と“Rare”を買うことができた人のみが、“フランク・エイプ”の限定版デジタルアートとリアルのコラボフーディーのセット“Epic”を購入するチャンスが与えられるという。