ジュエリー、時計、バッグ、財布といった高額品の買い取り専門店が増えている。リユース企業にとって買い取りは仕入れであり、良い商品をそろえることが売り上げに直結する。家庭のたんすに眠るブランド資産を巡る争奪戦は激しさを増す。最大手のコメ兵を取材した。(この記事はWWDジャパン2022年1月17日号からの抜粋に一部加筆をしています)
小田急線・経堂駅(東京都世田谷区)の商店街。落ち着いたトーンの青い看板が、コメ兵の「買取センター経堂農大通り店」だ。店内はゆったりとしたソファが置かれた2部屋で構成する。外から店内の様子は見えない。
「初めてのお客さまでも利用しやすいよう配慮しています」と長屋歩店長は話す。高額品のリユース店は珍しくないが、それでも昔の質屋のイメージを重ねる人は少なくない。経堂のような近隣住民の利用を想定した店舗では、プライバシーに配慮した空間にすることで抵抗感を少しでも和らげる。
2018年11月に開店した同店は、同社のその後の多店舗化のモデルになった。3年が過ぎ、再来店の客の比率が6割まで高まった。40代以上の女性が中心で、70代以上のシニアの利用も多い。コメ兵の三本柱である「宝石・貴金属」「時計」「高級バッグ」のうち、買い取りに占める宝石・貴金属の割合は約50%を占め、平均の30%よりも高い。1人当たりの平均買い取り価格は13万円。「価値の高いジュエリーをお持ちのお客さまが多い。複数点お持ち込みになれば、100万円を超えることもあります」。
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