ファッション

ニノ・チェルッティ氏が91歳で死去 46枚のアーカイブ写真で振り返る

 ニノ・チェルッティ(Nino Cerruti)氏が15日、外科合併症により91歳で亡くなった。イタリア・ビエラ生まれの「ラニフィーチョ・フラテッリ・チェルッティ(Lanificio Fratelli Cerruti)」を率いた、イタリアを代表するデザイナーの1人だった。チェルッティ社は声明の中で、「ニノ氏の家族や、これまでコラボを一緒にした関係者、友人、経営陣ら、そしてイタリアのファッションにお悔やみ申し上げる。世界は才能あふれ、時代を作った偉大なデザイナーを失った」とコメントした。

 ニノ氏は1930年生まれ。祖父が1881年にイタリア・ビエラに設立した繊維工場を、3代目社長に就任した同氏がファッションブランドとして成長させた。その後1957年に初めてのメンズコレクションを発表し、翌年ウィメンズデビューを果たした。ここで初めてエレガントで着心地も追求したリラックス型のジャケットを世に生んだ。スーツとして仕立て上げるのが主流だった当時、“デコンストラクテッド ジャケット”を手掛けたことで革命的とされた。65年には、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の才能を見出してブランドのデザイナーとしてスカウト。初めてのブティックは1967年、パリのマドレーヌ広場に開いた。

 長年にわたってチェルッティはディフュージョンブランドの「チェルッティ 1881」やラグジュアリーラインの「チェルッティ アルテ」、ジーンズラインの「チェルッティ ジーンズ」、メンズコレクションを扱う「ザ チェルッティ ブラザーズ」に加えて、フレグランスやアクセラリーラインも展開した。2000年10月には、グローバルでの事業拡大に伴う資金調達をめぐってイタリアのフィン・パート(FIN.PART)に株式の51%を売却し、追って残りの株式も全て売却した。その後05年に同社は破産しており、チェルッティ社はアメリカのプライベート投資ファンド、マトリン・パターソン(MATLIN PATTERSON)に移った。同様に同社も破産し、10年に香港の高級紳士服チェーン、トリニティ(TRINITY)が買収したが、今月初めに清算が報じられている。

 ここではニノ氏が手掛けたコレクションなどを46枚の写真で振り返る。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。