“世界一面白い店”をコンセプトとする米ニューヨーク発のショーフィールズ(SHOWFIELDS)が、2022年夏に日本上陸する。同社には21年4月に双日が出資。一部報道にあるように、今夏までに売り場面積150〜300平方メートルの小型店舗をまず都内の商業地にテスト的に出店し、その後23年3月までに1200平方メートル規模の旗艦店を出店する予定と双日の広報担当者は話す。
ショーフィールズはニューヨーク・ノーホー地区に18年末にオープン。実店舗を持たないD2Cブランドやアート作品などを集め、それぞれの世界観が体験できるとともに、置いてある商品はECで購入できる体験型ショールーミングストア(RaaS=Retail as a Servise=サービスとしての小売り)の先駆けの一つとして注目を集めてきた。現在、米国内にはニューヨークのほか、マイアミ、ロサンゼルスの計3店がある。
東京の新店でも米国と同様にD2Cブランドを集積するが、具体的なブランドのラインアップや、出店先が路面店になるのか、商業施設内になるのかといったことは未定。
コロナ禍もあってEC売り上げが拡大する中で、小売業界では実店舗の存在意義がより強く問われるようになってきた。それを受けて、販売よりも体験やブランドとの出合いに重きを置くRaaSへの注目は、国内でもこの1〜2年で急激に高まっている。20年8月には米シリコンバレー発の体験型店舗「ベータ(B8TA)」が上陸。丸井グループや三菱地所などの出資を受けて、新宿、有楽町に2店舗を同時オープンした。21年11月には渋谷に3店舗目を出店し、カフェ併設、食品やビューティ分野への注力など、日本独自路線を模索している。
また、旧来型の消化仕入れビジネスからの脱却を模索する百貨店も、RaaSに注目。西武渋谷店は21年9月に、メディア型OMO(オンラインとオフラインの融合)ストアをうたう「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を、大丸東京店は同年10月にショールーミングストア「明日見世」をオープンしている。