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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は「ザラ」アプリの新機能を実際に使ってみながら、その役割について解説します。(この記事は「WWDJAPAN」2022年1月17日号からの抜粋です)
今回は、「ザラ」がアプリに搭載した新機能から、これからのファッションストアにおけるアプリの役割について考えてみたいと思います。
本題に入る前に、「ザラ」を擁するインディテックス(INDITEX)の2021年第3四半期(8〜10月)を見てみましょう。非常に好調で、第2四半期(5~7月)に続いて、2四半期連続で、売上高も営業利益(EBIT)も、パンデミック前の2019年度を上回り、過去最高を記録しました。営業利益率も21.8%。9カ月でみても17.0%となり、いよいよコロナ禍から脱出したと言ってもよい業績です。
これを彼らは「前年度に世界の店舗在庫とEC在庫の一元化が完了し、店舗でもオンラインでも、どこからでも顧客が欲しい商品が提供できる環境が整ったことが、顧客に浸透したため」と勝ち誇っています。世界の中でも、いち早くオムニチャネル化(店舗とオンラインの統合)を実現させた結果と言えそうです。
さて、そんなインディテックスが、次のDX(デジタルトランスフォーメーション)の試みとして取り組んでいるのが、アプリによる店舗でのショッピング体験の向上です。
21年秋に世界3カ国と欧州の一部の店舗で始まったばかりの実験段階なのですが、スペインとイギリスと並んで、日本が3カ国目の実験場所に入っています。
アプリで店頭での買い物がよりスムーズに
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