ゴールドウインは25日、ポリ乳酸(PLA)繊維のスタートアップ企業のバイオワークス(BIOWORKS)と資本提携を締結したと発表した。出資額は非公開。バイオワークスはとうもろこしなどを原料とし、独自の改質剤で強度などを高めたPLA繊維「プラックスファイバー(PLAX FIBER)」を開発しており、ゴールドウインは「プラックスファイバー」を使った製品を、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を始めとする自社製品に使用、2023年から販売していく。ゴールドウインは非石油由来素材への置き換えを積極的に進めており、15年には同じく素材スタートアップのスパイバーにも約30億円の出資を行っている。
PLA繊維は1999年にはユニチカが量産に取り組んでいるが、とうもろこしやさとうきびを原料としており、非石油由来であることやカーボンニュートラル、生分解性などの特徴が、サステナビリティーへの関心の高まりにより、再び注目されている。
バイオワークスは、スパイバーと同様にユニコーン(創業10年以内で株式評価額が1000億円を超える未上場企業)であるTBMの子会社。2015年設立で、研究開発を基盤とする京都のインキュベーション施設のけいはんなプラザラボに本社を構える。資本準備金を含めた資本金は10億1292万円。同社は独自に開発した改質剤で、従来のPLA繊維に比べ、耐熱性や強度、染色性を高めており、よりアパレル製品への適用性を高めている。
今回の資本提携により、バイオワークスとゴールドウインはPLA繊維を使ったアパレル製品の開発を加速。バイオワークスはこれまでタオルやルームウエアだった用途を、ハイスペックなスポーツ・アウトドア分野にも拡大する。ゴールドウインは2030年までに製品を90%以上を環境負荷低減素材にすることを掲げており、ポリエステルなどの石油由来素材の代替を加速している。