ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、代替タンパク質の可能性と動物実験廃止の話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
「無印良品」が昆虫食の第2弾“コオロギチョコ”発売
「ダヴ」と「ザボディショップ」が動物実験の禁止に賛同
昆虫食やプラントベースミートなど、代替タンパク質の製品開発に大手企業の参入が相次いでいる。代替タンパク質が注目される背景には、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視するESGの観点から、今後の成長産業として期待されている“フードテック(テクノロジーで食領域の解決や食の可能性を広げる)”への投資化の高い関心がある。
ESGにおける(E)の環境は、第1に気候変動、第2に循環型経済すなわちサーキュラーエコノミーが含まれており、気候変動の分野においては、肉の生産で二酸化炭素など温室効果ガスを大量に排出していることが問題視されている。そこで、気候変動対策の一つとして肉類を含む動物性の食品消費を減らすために、大豆ミートを筆頭に植物性の代替肉が求められている傾向にある。しかし、今度は大豆ばかりに頼りすぎてしまい、大豆需要に応える形の大豆栽培の拡大が問題になっている。いま、ブラジルはアマゾンの熱帯雨林を伐採して大豆畑へ転換しようとしているが、二酸化炭素を吸収する「地球の肺」と言われる熱帯雨林を伐採してまで大豆ミートを作るのは本末転倒だ。つまり、タンパク質の供給源の多様化が重要になってくる。
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