ファッション

「コーチ」の親会社がレザーに関する新たなサステナビリティの取り組みを発表

 「コーチ(COACH)」などを擁するタペストリー(TAPESTRY)は、レザーに関する新たなサステナビリティの取り組みを発表した。「コーチ」のレザーバッグの廃棄を減らすことを目的としたリサイクル施策「リラブドプログラム((Re)Loved Program)」の拡大と、環境再生型農業を行う土地からの原料調達に注力する。

 その第1弾として、「リラブドプログラム」を拡大するためのリメイクやアップサイクルに関する実習プログラムを立ち上げた。タペストリーのウェブサイトで参加希望者を募る。スキルは問わない。同プログラムは6月にスタートし、1年間のコースを終了した後は「コーチ」のバッグを修理する仕事に就ける可能性があるという。

 「リラブドプログラム」は2021年の4月に始動。製品寿命を最大化させることを目的に、人気商品のリメイク品の販売やユーズドバッグの買い取りなどを行った。しかし、10月には破損した状態で廃棄された「コーチ」のアイテムを写した動画がティックトック(TikTok)上に投稿されて炎上。同社は、同プログラムの実施店舗数を15店から30店へと倍増させるなどの強化策を取っており、今後数カ月のうちに米国とカナダの162店舗で全面的に展開することも視野に入れている。

 ジュン・シルバースタイン(Joon Silverstein)=サステナビリティ・デジタル部門グローバルヘッドは、「リラブドプログラム」を「コーチ」の長年培われてきた伝統を受け継ぐ重要な施策だと位置付け、職人チームを大幅に拡大することを目指すという。

 さらに、「コーチ」を含むタペストリー傘下のブランドは非営利団体のセイヴォリー研究所(SAVORY INSTITUTE)の「ランド・トゥ・マーケット(Land to Market)」プロジェクトと連携して、環境再生型農業への取り組みにも着手する。シルバースタイン=グローバルヘットによると、このパートナーシップによって「年内には環境再生型レザーの新しいスタイルを確立する」とのことだが、詳細については明らかにされていない。

 タペストリーは昨年秋に、SBT(サイエンス・ベースド・ターゲット)へのコミットメントや50年までに事業活動における二酸化炭素排出量を“ネットゼロ ”にする目標を発表している。レザーのサプライチェーンに関しては、1月時点で「コーチ」のレザー製品の77%とフットウエアの99%が、レザーワーキンググループ(Leather Working Group)のゴールド認証およびシルバー認証取得済みの施設から調達している。

COACH x ビジネスの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。