ファッション

本当に求められている“ベーシック”とは? 「ミラ オーウェン」が浮上へ出した答え

 マッシュスタイルラボの「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」が復調している。11〜12月期の売上高は前年実績を超えた。2021年8月期は前期比6%減と、「スナイデル(SNIDEL)」(同41%増)「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」(同35%増)といった他の主力ブランドに遅れを取っていたが、「トレンドの半歩先を行くベーシック」(井木秀香ブランドディレクター)というコンセプトに立ち返り、商品企画の見直しを進めたことが結実している。

 従来のブランドの打ち出しは、ジーンズを主体に上下でそろえても1〜2万円程度の予算で収まるカジュアルベーシックスタイル。「でも、値ごろでカジュアルなスタイルなら選択肢はいくらでもある。何を求めて『ミラ オーウェン』に来店していただけるのか、お客さまの声を基に徹底的に“自己分析”した」と川村らいむプレス。「(自己分析で)分かったのは、日常使いだけでなく、ビジネス、ちょっとしたお出掛けやデート、オケージョンまで幅広く頼りにしていただけていること。奇抜ではないけれど無難で終わらず、さまざまな組み合わせでワクワクできる服をそろえることが、私たちの提案すべき“ベーシック”だと考えた」。

 商品企画の見直しは21−22年秋冬から段階的に進めた。“ビジネス”“センシュアル”“プレイフル”“カジュアル”“オケージョン”の5つのテーマを設定し、必ずどれかの要素を商品に盛り込むようにした。同時に、異なるテイストの服を併せてもチグハグにならないよう、「デザインやサイジングを論理的に詰めた」。ジーンズ中心だったボトムスも、タック入りスラックス、プリーツスカートなどでバリエーションをつけた。

 22年春夏は、組み合わせ次第でさまざまなシーンに対応できるアイテムがそろう。フレンチスリーブのレーストップス(7600円)はスカート(1万900円)とのセットアップならエレガントに、ブラックのテーパードパンツと合わせればマニッシュな装いにもなる。袖口にボリュームを持たせた花柄のブラウスは、「スカートと合わせてガーリーに振り切ってもいいし、センタークリース入りのパンツとの組み合わせなら大人っぽく落とし込める」。

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