スイスの高級ウオッチブランド「ブライトリング(BREITLING)」はこのほど、定額を支払えば同ブランドの時計をレンタルできるサブスクリプション(定額制)サービスを開始した。会員制で、年会費は24万2000円(税込)。ブライトリング・ジャパンのオフィシャルサイトから申し込みを受け付けている。
サブスク用のコレクションから最初に試したい時計を選ぶと宅配便で届き、最短1カ月、最長6カ月試用できる。試用できるのは、新品同様に整備された「完全整備済み」の時計。機能や美観は、新品とほぼ変わらない。試せるのは年間最大3本で、2本目以降は試用したモデルを返却。この費用はブライトリング・ジャパンが負担する。そしてサービスの利用から2カ月を超えると、自分が試着した時計の中の1本は特別価格で購入できる。
現在借りられるのは、“ナビタイマー”“アベンジャー”“スーパーオーシャン”“スーパーオーシャンヘリテージ”“プレミエ”の、ステンレスケースの3針モデルとクロノグラフで、製品価格が最高税込74万8000円の商品まで。ブレスレットは自分ではサイズ調整ができないため、レザーもしくはラバーストラップの装着モデルに限られる。100万円を超える完全自社製のクロノグラフムーブメント「B01」搭載モデルは、サービスの対象外だ。とはいえクロノグラフからダイバーズまで、「ブライトリング」の世界をしっかり堪能できる。さらに今後、他のモデルも追加予定だ。
またブライトリング・ジャパンは、この契約で想定されている通常の使い方で付いてしまった細かなケースの傷やストラップの損耗については、追加料金を請求しない。ただし時計を落下させるなど、借り主の過失で付いた大きなキズは、最初のコンディションに戻すための費用を請求することがあるという。
気になるのは、試用した時計が気に入った場合の購入価格だ。「すぐに知りたい」人は多いだろうが、価格は個別に査定・提示される。加えて契約の途中で「お気に入り」の購入を希望した場合、サブスク契約はその時点で終了することになる。それまでどのくらいの期間、何本の時計を試用したのかも考慮されるだろう。またサブスク契約者には、契約時点で独自の「1万2000スクワッドポイント」を付与する。このポイントも、独自の計算式で購入価格に反映される。
年間で24万2000円というサービス価格は、月5000円前後から利用できる既存の時計のサブスクサービスと比較すると、かなり高めだ。しかし試用できる時計のクオリティはまったく違う。このサービスは、2021年5月にアメリカで試験的にスタート。その好評を受けてヨーロッパで、さらに年末には日本でもスタートした。「『ブライトリング』を着ける」体験の機会提供を通して、魅力を伝え、ユーザー層の拡大につなげるのが狙いだ。