良品計画は4月下旬、広島市西区の商業施設アルパーク内の「無印良品」店舗を移設増床オープンする。売り場面積は約6100平方メートルで、「無印良品」として世界最大級。既存売り場の約8倍の広さという。「無印良品」のほぼ全ての商品とサービスがそろう「生活全部店」は、西日本ではここが初となる。立地はアルパーク西棟の1、2階。以前は東棟に店舗があった。
同社は小売業として、地域社会に“巻き込まれ”ながら地域の課題を解決していくことを目指している。24年8月期を最終年度とする中期経営計画でも、店舗が地域のコミュニティーセンターとなるようなあり方を描いている。広島は、同社の中でそうした地域との取り組みが先行している場所の一つ。これまでも「無印良品 広島パルコ」が過疎化に悩む安芸太田町で稲作イベントを実施したり、「無印良品 ゆめタウン呉」が豪雨災害後にスーパーなどが閉鎖していた呉市内の地域で出張移動販売などを行ったりしてきた。
2021年9月には社内に広島事業部を設立し、広島県の課題解決に向けた商品、サービス、店舗作りを進めているという。アルパークの新店舗でも、人口減少や高齢化、中山間地域の振興といった広島が抱える課題に対応する店のあり方を模索する。具体的には、新潟・直江津の店舗などに続いて「まちの保健室」サービスを導入。衛生用品などを販売すると共に、看護師や保健師らによる健康相談や血圧などの計測を行う。他に、地元産の野菜や加工食品、工芸品の販売や、交流スペースを地域イベントに開放するといった取り組みで、地域やそこに暮らす人々の生活に入り込んでいく。