松屋銀座本店1階化粧品売り場の2021年10〜12月売上高は、前年同期を上回って推移した。緊急事態宣言の解除(10月1日)が追い風となり、11、12月の売上高(免税分を除く)は19年との比較でも10%増。感染対策を施した上でのタッチアップの再開、顧客の囲い込みを狙ったイベントなどが来店の呼び水になっている。(この記事は「WWDJAPAN」2月7日号からの抜粋です)
10月1日以降は店頭のテスターにかかっていたビニールシートを取り払い、タッチアップを順次再開した。外出ムードの復活も消費者の財布のひもを緩ませ、高単価なプレステージブランドが勢いづいている。筆頭は「ディオール(DIOR)」で、期間中は各月とも30〜50%増と大きく伸ばした。メイクアップの新製品で若い客を取り込む一方、クローズドイベントで顧客とのつながりをさらに強めた。12月11、12日に実施した顧客向けの「お手入れ会」では、各日10人程度を対象に、美容部員が正しいスキンケアの手法を手ほどき。「肌悩みを親身に聞いた上での商品提案は、非常に決定率が高い」と、三原薫子バイヤーは話す。2日間で約120万円を売り上げるなど、エンゲージメントの強さが数字につながっている。
売り場の主要客層は40〜50代だが、若い客層もこの間増加傾向にある。20〜30代の客は21年を通じ、コロナ前の19年との比較でも純増。10〜12月に関してはプレステージブランドのホリデーキットなどがフックになった。また館では、7〜8月にかけて「ロエベ(LOEWE)」「セリーヌ(CELINE)」などの新たなラグジュアリーブランドの売り場がオープンしたことで、化粧品売り場への波及効果が生まれている。
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