ファッション

「ザ・ノース・フェイス」の“コンフォーティブ コレクション”始動 “紙がもたらす快適性”を開発担当者が語る

 ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が、“コンフォーティブ コレクション(以下、コンフォーティブ)”を立ち上げた。“コンフォート(快適な)”と“アクティブ”を掛け合わせたコレクションで、部屋着から屋外の運動まで対応するウエアを提案する。

スポーツもカバーする
紙糸を使った日常着

 “コンフォーティブ”最大の特徴は、“紙糸”を原料とする素材だ。“天然のエアコン”とも言われる紙は、繊維自体が呼吸して衣服内の湿度を快適に保ってくれる。この紙糸をベースに、リサイクルポリエステルも組み込むことで、動きやすさと吸放湿性、肌触りを高めて、快適な着心地を実現した。

「ギア作りの知見を生かした」
MD担当に聞くコレクションのこだわり

WWD:このコレクションを企画した経緯は?

青柳友梨「ザ・ノース・フェイス」アスレチックグループMD(以下、青柳):自分たちのアスレチックウエアを着て運動する習慣は普段から付いていた。でも、コロナをきっかけに在宅時間が増えると、複数のMDメンバーが「既存のアスレチックウエアは、部屋着としてはベストな選択ではない」と感じていたことがわかった。そこで、「運動できて、リモートワークにも対応する新しいアスレチックウエアを作ろう」と、“コンフォーティブ”の企画がスタートした。

WWD:「ザ・ノース・フェイス」らしい開発のこだわりは?

青柳:われわれは、ある用途に対して、特定の専門性を突き詰めるギア作りが得意。日常着は用途が曖昧になりがちだが、“コンフォーティブ”は、“日常”という設定の中で、どうしたら快適に過ごせるかという専門性を科学的に深掘りした。一度着てもらえたら、そのこだわりを体感してもらえるはずだ。

WWD:“コンフォーティブ”の専門性は?

青柳:まずは吸放湿性だ。通常のアスレチックウエアは、汗をかき続けるシチュエーションを想定するため、吸汗・速乾性に重きを置き、ポリエステルを採用することが多い。一方で部屋着は、その対極となる“湿度を吸って吐く力(吸放湿性)”が不可欠で、コットンやウールなどの天然繊維がメインだ。“コンフォーティブ”では、数ある天然繊維から、“天然のエアコン”と呼ばれるほど衣服内環境のコントロールに長けた“紙糸”をメインに採用した。さらにポリエステルを一定の割合で組み込むことで、部屋とアスレチックの両方をカバーするバランスに仕上げている。

WWD:部屋で着るなら、着心地も気になる。

青柳:それがもう一つの専門性だ。着心地を決める要素はさまざまだが、われわれは“動きやすさ”と“肌触り”に注目した。ホールガーメント製法で編み立てて動きやすさにこだわった“ライトコンフォート”と、紙を限界まで細かくスリットして糸を依ることで、紙糸特有のザラつきを無くした “コンフォートベーシック”の二つを用意した。好みに合わせてセレクトしてほしい。

動きやすさにこだわった
“ライトコンフォート”

  “ライトコンフォート(Light Comfort)”は、無縫製で編み上げるホールガーメント製法をベースに、一部のパーツを縫い付けた商品だ。シームが少なく立体的な設計で体にフィットし、スムーズな動きをかなえる。スエットシャツ(税込1万7600円)やパンツ(同1万8700円)などをそろえる。

肌触りにこだわった
“コンフォートベーシック”

  “コンフォートベーシック(Comfort Basic)”は肌触りにこだわった商品。原料の紙を出来る限り細くスリットし、糸として寄ることで、コットンのようななめらかさを持つ。ショートスリーブのロングTシャツ(同8690円)やスリムパンツ(同1万2100円)などを用意する。コレクションは“ライトコンフォート”と合わせて全12型。いずれも白と黒をメインカラーとし、シーズンによってニュートラルなカラーも加える。

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ゴールドウイン カスタマーサービスセンター
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