ユナイテッドアローズの2021年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比5.3%減の869億円、営業損益が18億円の黒字(前年同期は34億円の赤字)、純損益が12億円の黒字(同30億円の赤字)だった。売上総利益率は4.2ポイント改善。「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」業態のビジネスユニットとアウトレットは共に改善傾向にある一方で、子会社コーエンの売上高は同8.4%減の70億円と苦戦が続いている。
1月以降もオミクロン株の蔓延などの影響で、想定していた回復には及ばず、22年3月期の業績予想は下方修正した。修正後は売上高が1174億円(修正前は1248億円)、純利益が2億円(同17億円)。松崎善則社長執行役員CEOは、「業績は底を打ったと捉え、これからの回復に向けて取り組む」といい、「プロパー消化率改善による店舗粗利率の改善」「EC売上の成長」「コーエンの利益改善」を注力課題にあげた。
「EC売上の成長」に関しては、3月に自社ECのリニューアルが完了する。4〜12月期のEC売上高は217億円、売上構成比は27.3%で2年前から6.3ポイント増だった。そのうち自社ECサイトの売上高は前年比では0.2%増、前々年比では80.9%増(前々年はシステム障害のため9月12日~11月26日まで休業)だった。リニューアルでは、検索のしやすさなどのユーザビリティーを向上させるほか、フルフィルメント拠点を自社物流センター内に設置して、効率的な在庫運営につなげる。
また、原料や物流コストの高騰を受け「ユナイテッドアローズ」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」などでは、「この春から秋にかけておおよそ全体の20〜30%の品番で10〜15%の値上げを図る」と話した。