ラグジュアリーブランドの中古品を扱う会員制ECサイトを運営するザ・リアルリアル(THE REALREAL)とストリートウエアのリセールを行うストックX(STOCK X)は、2021年のトレンドリポートを発表した。
ザ・リアルリアルは2400万以上のユーザーを抱えており、21年1〜11月の消費動向を前年同期と比較。利用者の40%がファストファッションで買い物をする代わりにリセールで購入しており、自身の持ち物を売りに出す人も増加していると報告した。ラティ・サヒ・レヴェスク(Rati Sahi Levesque)=プレジデントはリポートの中で、「リセールは世代を超えて人気を集めており、世代間でアイテムの“引き継ぎ”が行われている」と説明した。また、一点ものを求めて中古品に手を伸ばす消費者が増えているという。
ブランドで見ると、ザ・リアルリアルを初めて利用する売り手および買い手の両方に最も人気が高かったのは「グッチ(GUCCI)」だった。ほかにも、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のワンピースは最大2100ドル(約24万円)で、「ミュグレー(MUGLER)」のスカートスーツは952ドル(約10万円)で取引されるなど、リセール価格が70%増となった。ほかにも、「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」のコルセットや、ヴィンテージの「プラダ(PRADA)」のコート、「ミッソーニ(MISSONI)」のカーディガンなどがトレンドにあがったという。
ミレニアル世代のユーザーの間では、「フェンディ(FENDI)」のバケットバッグや「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のモノグラム・マルチカラーバッグなどが人気を集めている。人気の背景にあるとされているのが、人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY以下、SATC)」のリブート版「アンド・ジャスト・ライク・ザット(And Just Like That)」で取り上げられたことだ。若い世代のユーザーを多く持つ動画アプリのティックトック(TikTok)では、「#FendiBaguette」のハッシュタグをつけた動画の再生数は300万を超える。「ルイ・ヴィトン」のモノグラム・マルチカラーバッグは、アーティストの村上隆とのコラボレーションによって03年に誕生。村上によるデザインの商品は15年に生産を終了しているが、その後も注目を集め続けている。
ストックXでは、「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」のスニーカーが人気を集めており、ブランド別のランキングで1位となったほか、スニーカーモデル別でも “エア ジョーダン1(AIR JORDAN 1)”が4年連続で1位を獲得。「ナイキ(NIKE)」はブランド別で2位となったほか、スニーカーモデル別では2位に“ダンク(DUNK)”が、3位に “エア フォース1(AIR FORCE 1)がランクインした。カルチャー部門では、1位となったアーティストのシェパード・フェアリー(Shepard Fairey)に次いで、村上隆が2位にランクインした。
ブランド別では、3位から5位に「アディダス(ADIDAS)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」「コンバース(CONVERSE)」がランクイン。ほかにも、「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」「リーボック(REEBOK)」「クロックス(CROCS)」などの人気が拡大した。
アパレルでは「シュプリーム(SUPREME)」がトップで、小売価格を平均で60%上回るプレミア価格で売買された。次いで、「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」や、20年から順位を5つ上げた「ヴィーロン(VLONE)」、同じく順位を2つ下げた「カクタス ジャック(CACTUS JACK)」、「ナイキ」がランキングの5位までを占めた。
コラボレーション部門では、カニエ・ウェスト(Kanye West)が手掛ける「イージー(YEEZY)」と「ギャップ(GAP)」による、ブルーのフーディーやジャケットが最も人気を獲得。続いて、「シュプリーム」による「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」や「ティファニー(TIFFANY & CO.)」とのコラボレーションもランクインした。ほかには、「テルファー(TELFAR)」が20年より順位を18位上げ、アパレルおよびアクセサリーブランドの人気トップ10に入った。ストックXは、22年は書籍のほか、テニス、ゲーム、ゴルフなどのスポーツが幅広く消費者の関心を集めると予測している。