スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明CEOに聞く連載。最近、発売日が把握できなくなったと感じている人も多いはず。それもそのはず、コロナによる工場の稼働停止などで発売延期になる商品が増えたり、少しずつ入荷する商品があったり……。海外で発売されていることもあって、二次流通で先に見かけることもしばしば。そんな商品が多すぎて、大事な発売日を見過ごすなんてことも増えた。今回はそんなモヤモヤが解決するかも!? (この記事はWWDジャパン2022年2月7日号からの抜粋です)
本明秀文CEO(以下、本明):今年に入って、大手メーカーの値上げラッシュが続いている。アメリカではそれでも売れているけど、特に日本はダメ。世界的なインフレについていけてないね。
――いくら値上がりしているんですか?
本明:「ナイキ(NIKE)」も「アディダス(ADIDAS)」も1000円ぐらいかな。“エア ジョーダン1(AIR JORDAN 1)”だと1万9250円だったものが今は2万900円。ただ、力のあるブランドは値上げに走っているけど、そうじゃないブランドは値上げしていない。値上げするとどうなると思う?“ジョーダン1”のような人気モデルであれば、男性はこれまで通り買う。でも女性は買わなくなる。だからウィメンズの市場では、値上げをしなかった「プーマ(PUMA)」の一人勝ちになっているよ。8000円以下で今っぽいデザインのものがあるから。
――そもそも、なぜ値上げするんですか?
本明:売れるモノは売れる、売れないモノは売れないというはっきりした市場の中で、売れる商品の供給が足りないからインフレになる。これまではグローバルのローンチ日が設定されていて、中国やベトナムで生産したモノを日本でもアメリカでも同じ日に発売できた。だけど、今はコロナで流通が狂っちゃって、同じ日に発売するのが難しい。例えば、今度発売する青×黒の“ジョーダン1”は、日本では2月5日に発売するけど、中国やベトナムでは既に発売された。アメリカの発売日はさらに遅れて25日。コロナ禍で工場が通常稼働しておらず、生産が追いついていないことが原因だよ。アメリカで先月アーリーリリース(発売日前に限定数を販売する方法)があったのも、分納しているんだと思う。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。