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アシックスが4年ぶりに売上高4000億突破 21年12月期

 アシックスの2021年12月期連結決算は、売上高が前期比22.9%増の4040億円、営業損益が219億円(前年同期は39億円の赤字)、純損益が94億円の黒字(同161億円の赤字)に回復した。売上高4000億円を超えるのは4年ぶりで、日本と北米は黒字に転換した。廣田康人社長は、「非常にいい業績。コロナで一時は打撃を受けたが、力強い回復を実感している。健康意識の高まりだけでなく、いい商品を提案し、買ってもらい、デジタルも組み合わせる。それが上手くいった」と手応えを語った。

 主力のパフォーマンスランニングの売上高は同31.0%増の2082億円。コロナ前の19年と比較しても2割増の高成長となった。ランナーの走法に応じて設計したトップアスリート向けシューズ“メタスピード(MEATASPEED)”を3月に発売し、国内外の選手から一定の評価を受けた。選手の記録更新が市民の購買意欲にもつながった。北米が同33.9%増、中華圏が同42.4%増とよく動いた。北米はランニング専門店とコミュニケーションをとり、消費者ニーズを商品やマーケティングに活用する戦略が奏功した。中華圏は、アリババや京東(ジンドン)といったプラットフォームと組んだデジタル施策のほか、シューズを試し履きできるリアル店舗の整備が好調につながった。

 オニツカタイガーは同13.6%増の385億円。中華圏と東南アジア、南アジアが好調に推移し、インバウンドを除く国内売り上げも拡大した。コアパフォーマンススポーツは、北米と欧州がテニスシューズとインドアシューズで増収をけん引し、同23.2%増の413億円だった。そのほか、スポーツスタイルは同12.5%増の332億円、アパレル・エクィップメトは同14.5%増の341億円だった。

 2022年12月期は、売上高4200億円、営業利益230億円、純利益135億円を見込む。パフォーマンスランニングでは、エリート向けモデルを拡充し、世界陸上を見据えた新モデルも投入する。オニツカタイガーでは、東南アジア・南アジアを中華圏に次ぐマーケットとして投資を強化する。

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