米最大のスポーツイベント「第56回スーパーボウル(Super Bowl 2022)」が、カリフォルニア州ロサンゼルスのソーファイ・スタジアムで2月13日(現地時間)に開催された。「スーパーボウル」は例年、前後半の間に行われるハーフタイムショーにも注目が集まることで知られている。今年はドクター・ドレー(Dr. Dre)とスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)、メアリー・J. ブライジ(Mary Jane Blige)、エミネム(Eminem)、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)というUSヒップホップシーンを代表する5人が出演した。
過去に出演したアーティストの多くは、晴れ舞台にふさわしい華麗な衣装をまとってきた。ドクター・ドレーは全身ブラックのシンプルな「トム フォード(TOM FORD)」でステージに登場。スヌープ・ドッグは「デス・ロウ・レコード(Death Row Records)」のブリンブリンを首からたらし、自身が過去に所属していたロサンゼルスが拠点のストリートギャング、クリップス(Crips)を想起させる青いバンダナ柄のトラックスーツに身を包んでいた。エミネムはキャップの上からフードを被り、ブラックデニムに「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」の“エア ジョーダン 3(AIR JORDAN 3)”を合わせるという、ラッパーのステレオタイプのようなスタイル。しかしこの“AJ3”は、実はこの日のために製作された1点モノだった。過去にエミネムと「ジョーダン ブランド」が製作してきたコラボモデルの中には、リセールサイトで数百万円の値が付くほどの人気作もあるだけに、もし流通すれば1000万円の大台を超えるだろう。
一方、ケンドリック・ラマーはかねてから親交が深かった故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)への敬意も込め、ヴァージルが生前最後に手掛けた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2022-23年秋冬メンズ・コレクションのブラックスーツを着用した。このスーツはケンドリック用に特別に仕立てられたもので、ゴールドのブローチやボタンが所々にあしらわれているほか、グローブとブーツも同ブランドのものだった。紅一点のMJBは、これぞ「スーパーボウル」といわんばかりのきらびやかなステージ衣装に身を包み登場。彼女の衣装は、「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」でクリエイティブ・ディレクターを務めていたピーター・デュンダス(Peter Dundas)が手掛けたもの。反射素材を斑点模様のようにレーザーカットすることで、ユキヒョウを表現したという。
なお試合は、ロサンゼルス・ラムズが23対22でシンシナティ・ベンガルズを下し、22年ぶり2度目の制覇となった。