ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

ZOZOのPL・BSから考えるEC時代のビジネスモデル【齊藤孝浩のファッション業界のミカタvol.34】

有料会員限定記事

 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目をつけ、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はZOZOの財務諸表を例に損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)の見方を解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2022年2月14日号からの抜粋です)

 今回はZOZOと一般的なアパレル小売企業の財務諸表を比較しながら、EC時代のビジネス構造の変化について考えてみます。

 まず、2021年2月8日号のおさらいになりますが、財務諸表の中でも、貸借対照表(BS)は、企業が営業するため、つまり損益計算書(PL)を回すために必要な「資金」をどう調達して、どう使っているかということを表しています。左に「資産」、右に「負債」と分かれていますが、これはそれぞれ「資金の使い方(資産)」と「資金の出どころ(負債)」と考えると分かりやすいです。

 さて、ZOZOと一般的なアパレル小売企業のPL・BSを並べると一目瞭然なのが、PLの売上原価がめちゃくちゃ小さいということです。事業のほとんど(受託ショップやBtoB事業)において、ブランドから在庫を預かって、一般消費者に販売し、売上金を回収しているので、自分たちがリスクを取って仕入れている、ごくわずかな分の売上原価しかありません。

この続きを読むには…
残り2566⽂字, 画像4枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

ZOZO x ビジネスの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。