ファッション

伊勢丹メンズ1階からビジネスウエアが消える 「ライフスタイルの一部として訴求」

 三越伊勢丹は16日、伊勢丹新宿本店メンズ館1階をリニューアルオープンした。男性の美容・健康ニーズの高まりに対応し、コスメゾーンを拡大。一方、ビジネスシャツとセーター、ネクタイは5階紳士服フロアに移設。コーナーの面積も縮小した。

 百貨店の顔である1階からビジネスウエアが姿を消したことは、働く男性の服装のカジュアル化を象徴する。だが、和泉圭・伊勢丹新宿本店5階シャツタイ担当バイヤーは「上質なものを求めるお客さまの需要は変わらずあり、しっかり応えていくことが必要だ」と話す。

 5階は「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」「ポール・スチュアート(PAUL STUART)」といった既存のトラッドテイストのブランドショップ群とともに、ビジネスシャツ、ネクタイ、セーターが並ぶ。「これからはビジネスウエアだけでは語れず、ライフスタイルの一つとして捉えることが必要だ。男性の1週間の装いを想像し、カジュアル、ドレスウエアとともに面で見せられる売り場を作る」。

 上質なモノへの関心が強い男性をターゲットに、パーソナルオーダーも強化する。オーダースーツの「メイドトゥメジャー」では、多様化するビジネススタイルに対応し、腰回りにゴムの入ったドローコード付きシャーリングパンツや、ミリタリーテイスト仕様のシャツブルゾンなど、従来のオーダーメニューの枠を超えた提案を強化する。2週間の短納期でオーダースーツが作れる「クイックオーダー」(オプション料金1万6500円)も用意した。

 30代の若いビジネスマンからの需要が高まるオーダーシャツの品ぞろえも拡大。「1万5000円のものから用意があるが、3万円程度の比較的高単価なものが売れ筋」。今後、売り場ではテーラーやビジネスウエアに詳しい識者などを招いたイベントも開催し、コアな顧客の囲い込みに一層力を入れる。

 1階の新規導入は24ブランド。既存のスキンケア、ヘアケア、フレグランスの品ぞろえを強化し、ボディケアやサプリなどインナーケアもラインアップする。昨年10月に香水の催事「サロン ド パルファン」をメンズ館では初開催し、「予想以上の反響だった」(木村円香・伊勢丹新宿本店コスメ担当バイヤー)という。「メゾン マルジェラ フレグランス(MAISON MARGIELA FAGRANCES)」「マリージャンヌ(MARIEJEANNE)」が新顔として加わる。

 ボディケアでは自然界由来の原料・製法にこだわる「ヴァイタルマテリアル(VITAL MATERIAL)」、インナーサポートではCBDサプリの先駆者である「エンドカ(ENDOCA)」、米国発「エリクシノール(ELIXINOL)」を導入した。新設のプロモーションスペースでは商品カテゴリーにとらわれず、多様なライフスタイルに合わせたテーマの催事を2週間スパンで入れ替える。初回は、南青山の花を中心としたセレクトショップ「オールグッドフラワーズ」とビンテージ品のECモール「VCM」が商品を展開する。

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