ストッキング大手のアツギは2月18日、新社長に帝人フロンティア前社長の日光信二氏(65)を内定した。工藤洋志社長は相談役に退く。日光氏は2015年4月に帝人フロンティア社長に就任し、21年4月に退任していた。就任は6月下旬開催予定の株主総会後になる。アツギはコロナ禍による在宅ワークの定着でストッキング需要が落ち込み、1月28日には22年3月期の業績見通しで純利益を17億円の赤字に下方修正するなど苦戦が続いていた。帝人フロンティアで素材の強みにマーケティングを融合し、成長軌道に乗せた日光氏のもとで立て直しを図る。
日光氏は1956年12月12日生まれ、北海道出身。79年4月に帝人商事(現帝人フロンティア)に入社、産業資材畑を歩み、11年6月にNI帝人商事(現帝人フロンティア)取締役、15年4月に帝人フロンティア社長、21年4月に退任し、6月から特別顧問だった。
アツギの22年3月期の見通しは売上高が前期比14.1%減の220億円、営業損益が21億円の赤字、経常損益が17億円の赤字、純損益が17億円の赤字。1月には長い伝統を持つ国内工場(青森)を閉鎖し、中国に工場への集約を発表するなど、構造改革を進めている。筆頭株主には東レ(6.39%)が名を連ねている。