ファッション
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第60回

「国際女性デー」に考える女性のエンパワーメント

有料会員限定記事

 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、国際女性デーと女性起業家による資金調達の話。

【賢者が選んだ注目ニュース】
国際女性デーに合わせミモザコスメが目白押し!
美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」が総額10億円の資金調達

 日本ではSDGs(持続可能な開発目標)が2015年に国連で採択されてから、企業を中心にその理念が浸透し始め、目標の1つに掲げているジェンダー平等と女性のエンパワーメントへの関心が高まっている。その重要性を考えるきっかけとして、3月8日の「国際女性デー」も注目されるようになってきた。国連が1975年に女性の権利と政治的、経済的分野への参加支援を盛り立てるための日として制定し、イタリアでミモザの花が咲き始める時期にちなみ、シンボルとしてミモザが使われている。日本でも「国際女性デー」に併せてイベントなどを企画する企業が増えているが、親和性の高いコスメブランドからは毎年ミモザに着目した製品が続々と登場し、記念日を盛り上げている。

 これらの背景には、ESG(Environment=環境、Social=社会、Governance=ガバナンス)投資の拡大も影響している。ESGの柱の一つ「S」に、ジェンダー平等や、人種をはじめとするダイバーシティ、人権問題が含まれており、世界的に非常に関心が高い。しかし、女性の起業家ましてや政治家、トップ経営者は依然として少なく、問題視されている。そこで、インパクト投資(社会や環境にインパクトを与える製品・サービスを提供し、かつそのインパクトが測定可能な企業に行う投資)の一種で、ジェンダーにプラスの影響を与える戦略投資「ジェンダーレンズ投資」をすることによってジェンダー問題を解決しようとする動きが活発化している。この投資のアプローチは主に3つあり、1.女性起業家への投資、2.職場の公平性を促進する企業への投資(人員配置、管理、役員室の代表、サプライチェーンに沿った投資)、3.女性らの生活を飛躍的に向上させる製品やサービスを提供する企業への投資がある。

この続きを読むには…
残り865⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。