ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、国際女性デーと女性起業家による資金調達の話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
国際女性デーに合わせミモザコスメが目白押し!
美容医療の口コミ・予約アプリ「トリビュー」が総額10億円の資金調達
日本ではSDGs(持続可能な開発目標)が2015年に国連で採択されてから、企業を中心にその理念が浸透し始め、目標の1つに掲げているジェンダー平等と女性のエンパワーメントへの関心が高まっている。その重要性を考えるきっかけとして、3月8日の「国際女性デー」も注目されるようになってきた。国連が1975年に女性の権利と政治的、経済的分野への参加支援を盛り立てるための日として制定し、イタリアでミモザの花が咲き始める時期にちなみ、シンボルとしてミモザが使われている。日本でも「国際女性デー」に併せてイベントなどを企画する企業が増えているが、親和性の高いコスメブランドからは毎年ミモザに着目した製品が続々と登場し、記念日を盛り上げている。
これらの背景には、ESG(Environment=環境、Social=社会、Governance=ガバナンス)投資の拡大も影響している。ESGの柱の一つ「S」に、ジェンダー平等や、人種をはじめとするダイバーシティ、人権問題が含まれており、世界的に非常に関心が高い。しかし、女性の起業家ましてや政治家、トップ経営者は依然として少なく、問題視されている。そこで、インパクト投資(社会や環境にインパクトを与える製品・サービスを提供し、かつそのインパクトが測定可能な企業に行う投資)の一種で、ジェンダーにプラスの影響を与える戦略投資「ジェンダーレンズ投資」をすることによってジェンダー問題を解決しようとする動きが活発化している。この投資のアプローチは主に3つあり、1.女性起業家への投資、2.職場の公平性を促進する企業への投資(人員配置、管理、役員室の代表、サプライチェーンに沿った投資)、3.女性らの生活を飛躍的に向上させる製品やサービスを提供する企業への投資がある。
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